ショート日常 1
試しとしてショート日常話を書いてみました。
今回は全て錬視点となっています。
それではどうぞ!
ショート日常① 錬と修哉 in 錬の部屋
「なぁ修哉」
「何だ?」
「どうして俺は女にフラれるんだろうな」
「は?」
修哉と一緒に格ゲーをやっている最中、俺はふと疑問に抱いた事を尋ねた。それにより修哉は俺を見てくるが、それでもゲームは続けていた。結構器用な奴だな。
「何故いきなりそんな事を訊くんだ?」
「いやさぁ。どうして俺はナンパしたら速攻でフラれるのかなって思ってさ。どうしてか分かるか?」
「そんなのセクハラ発言するからだろ」
「俺、セクハラした憶えは無いんだが……?」
思わず修哉の発言に顔を顰めるが、当の本人は何の悪気も見せない様子だ。いくら友人とは言え、それはちょっとばかし酷くねぇか?
「初対面の女子に向かって身体的特徴の部分を言ってるだろ。例えば大きな胸の女子には馴れ馴れしく巨乳ちゃんとか呼んでたじゃないか」
「そうだっけか? けど愛奈ちゃんの時は怒らなかったぜ」
「アイツは例外だ。何しろ江藤はセクハラネタが好きだからな」
「あ、そう言われれば」
確かに愛奈ちゃんは俺とエロネタの話しをしても嫌な顔せず、寧ろ面白そうに乗ってくる。だから思わず女の子をナンパする時には愛奈ちゃんと話してる話題を出すと、すぐにフラレちまうって事か。
「じゃあ今後は下手にエロネタを使わずにナンパすれば上手く行くのか?」
「それは知らんが、まぁすぐに撃沈すると言うことは無いだろう」
「ふ~ん……。じゃあ確実に成功する為には、どうナンパすりゃ良い?」
「そこは自分で考えろ」
んだよ。友人の頼みぐらい聞いてくれよ。でもまぁ、修哉はナンパ自体した事無いから今一分からないから、少しばかり酷だったな。
にしても修哉って女にモテるんだろうか? 今まで俺が一緒にナンパしに行くぞって言っても断るし、大して女の子に興味無さそうな感じで………ま、まさかコイツ実はホモなのか……? だとしたら俺の貞操が!
「アホな事を考えたら此処に女にモテてる和人を呼んで、自慢話するように頼むぞ?」
「冗談じゃねぇ! あの野郎の自慢話なんて聞きたくねぇよ!」
修哉は何て事を言い出すんだ! この俺に死ねと言ってるも同然じゃねぇか!
ったく! コイツはいつもとんでもねぇ事を言い出すから性質が悪いぜ。友人を何だと思ってやがる。
「まぁ和人を呼んで自慢話をさせるのは冗談としてだ。ナンパを成功させたいなら俺じゃなく、和人に訊いてみたらどうだ? 実際、アイツはそう言う話は得意だし」
「嫌だ! あの野郎に相談なんかしたら負けたも同然だ! だからそんな事はしねぇ!」
「………何が負けるんだ?」
「そりゃあ……人として」
そう。ここで佐伯の野郎にナンパについての相談したらアウトだ。それはつまり、あの“いけ好かねぇ佐伯に相談しなけりゃナンパは成功しない”って言う不名誉なレッテルを貼られちまう!
「俺から見ればお前は既に負けているんだが……例えば今やってるゲームとか」
「え? ………あ~~~!」
画面を見たら俺の操作キャラが負けてるし!
「汚ねぇぞ修哉! 俺がゲームから気を逸らしてる間に勝ちやがって! もっかい勝負だ!」
「いや、もう夕方までやってるから流石にこれ以上続ける気は無いんだが……。ってかお前、この格ゲーでもう30連敗してるんだからいい加減諦めろよ」
「…………………………………」
………くそっ。何か目が霞んで来たぜ。
ショート日常② 錬と店長 in 喫茶店『AMAGI』
今、俺はある事に驚いている。
突然何を言い出しているんだと思っているんだろうが、本当に驚くべき事が起きているんだ。
それはカウンター席で、
「全く。君は相変わらずだね、スティーブ」
「(英語)You could not say people, either.It is especially son boast」(翻訳:君も人の事は言えないだろう。特に息子自慢は)
「そうかな? 私はそこまで修哉の自慢をした憶えは無いよ?」
「(ドイツ語)Es ist als Steves Sprichwort.Halten Sie fruh overprotection der Kinder an」 (翻訳:スティーブの言うとおりよ。貴方は早く子離れしなさい」)
「(ポルトガル語)Isso e certo. Voce tem que fazer alguns severo」(翻訳:そうよ。少しは厳しくしないと)
「君達までそこまで言うかい? 私は至って普通なんだが」
さっきから修哉の親父さんが30分以上も外国人相手に普通に話しているから。
因みに英語を話していたのは外国人のスティーブって言うおっさんで、もう一人はドイツ人の綺麗なお姉さんで、最後の一人はポルトガル人のおばさん。
三人それぞれの外国語を使ってるのに、修哉の親父さんは分かっているように話してるし! 一体何もんだよあの人は!? 俺はあの三人の外国人が何言ってるのか全然分からねぇし! いや、まぁ英語は多少分かるんだけどな。
それとこの喫茶店にいる客全員も俺と同様に修哉の親父さんの方を見て呆然としている。そりゃそうだろう。別々な外国語を使っている三人に普通に対応してる修哉の親父さんを見て驚くなと言うほうが無理な話だ。
「Werden seiya und einige Jungen von jenen überrascht und sehen Koch?」(翻訳:聖也、あの子がコッチを見て何やら驚いているんだが?)
「Qualquer coisa não é nenhum negócio a nós?」(翻訳:私たちに何か用かしら?)
「え? え?」
ドイツ人とポルトガル人の女性がコッチを見て来て何か言ってるが、俺には全然分かんなかった。
「こらこら二人とも、私以外の日本人にはドイツ語やポルトガル語じゃなく、日本語で話すようにって言った筈だよ」
「ああ、そう言えばそうだったわね。いつも話す相手が聖也だったからついドイツ語に……」
「ごめんなさい坊や、私もついポルトガル語で話しちゃったわ」
「ハッハッハッハ! 聖也に突っ込まれるシャルロットとカタリーナは相変わらずのうっかり屋さんだな。どうかな少年、私達の日本語は?」
天城の親父さんの指摘に、さっきまで外国語を話していた外国人たちが、いきなり流暢な日本語で話しかけてきた。
何だ、ちゃんと日本語を使えるのか。だがコレだけは言わせて貰う。
『日本語使えるなら始めっから日本語で話せよ!』
俺だけじゃなく、此処にいる客全員が外国人三人に特大な突っ込みを入れた。
如何でしょうか?
こう言ったショート話をちょくちょく載せようと思うんですが、出来れば感想で読者の皆様から賛否を聞きたいのでお願いします。




