第20話
最近、本当に話の内容が短くなっているなぁと思う今日この頃です。
それではどうぞ!
「アイツが俺の事を異性として好きって……う~ん」
「どうした修哉? 朝っぱらから考え込んで」
朝の教室で和人に言われた事を席に座って深く考え込んでいると、登校して来た錬が声を掛けてきた。俺が振り向くと錬だけでなく、江藤も一緒にいる事に気付く。
「ちゃんと愛美ちゃんに謝ったの?」
「いいや。まだ謝ってないし、会ってもいない」
てっきり昨日と同じく校門前に会うのかと思っていたんだが、姿が見えなかったのでそのまま教室に行ったのだ。まぁ流石に昨日の今日だから校門前にはいないだろうと予測はしてたけどな。
「……普通は天城君の方から会いに行くのが筋だと思うけど?」
「勿論、会いに行こうと教室には行ったさ。けど、当の本人がいなくて……」
「ふ~ん……。で? そうしに行ったってことは、理由が分かったって捉えて良いのかな?」
「まぁ……一応な」
「なら良いけど」
和人に言われるまで気付かなかったけどな、と言うのは口に出さない。そんな事を言ったら江藤の乙女講座と言う名の説教が始まりそうな気がしたから。
けど謝るにしても、どうやって謝れば良いのか正直言って分からなかった。いくら俺が羽瀬川の想いを踏み躙ったとは言え、昨日までは友人として、ライバルとして接していた相手にいきなり見方を変えるなんて器用な事は出来ない。和人なら臨機応変に対応出来るだろうが。
あと恋愛に関しても全くと言って良いほど分からない状態だ。女子の誰かに告白された事も無ければ、好意を寄せられた事も無い。女子の殆どが容姿端麗である和人に迫っているのを、近くで見ていた自分には全く縁の無い物だと思ってたから。
故に、いきなり羽瀬川が俺の事を異性として好きだと言われても、アイツにどうすれば良いのかと悩んでいる。本当なら和人か紫苑さんに相談したい。けど和人は『正直に言えば分かってくれる』との一言だけで済まされた。なら後で紫苑さんに相談しようかと思ったが、和人がいきなりそれはダメだと言われて却下された。理由を聞いても教えてくれないし、紫苑さんが悲しむって言うから仕方なく諦めた。何で紫苑さんが悲しむのかは全然分からんが。
「ま、とにかく休み時間でも利用して早く謝った方が良いぜ。こう言った事は先延ばし続けると色々気まずくなるからな」
ポンッと俺の肩に手を置きながらアドバイスをするように言う錬。言われなくても分かってるっての。
「もし何か遭ったときは俺に言えよ修哉。恋愛のエキスパートである俺に相談すれば――」
「ありがとう。気持ちだけは貰っとく」
「おいコラァ! 人様の厚意を無碍にしてんじゃねぇよ!」
だってお前に相談したら失敗するからな。と言うかお前、昨日やった事を忘れてないか? 幸せクラッシャーと言う訳の分からん事をして羽瀬川に竹刀で叩かれたのを。奇天烈な行動をするお前に恋愛相談をする気は全く無いから安心しろ。
「まぁ……天城君の言うとおり、錬君はちょっとねぇ」
「愛奈ちゃんまで! 俺はそこまで信用ねぇのか!?」
「そりゃ“幸せクラッシャー”何て言うアホな事をしたらな……(ボソッ)」
「うぐっ!」
呟く俺に錬はダメージを受けたかのような顔をして頭を手で押さえた。昨日、羽瀬川に頭を竹刀で叩かれた痛みを思い出しているんだろう。凄い音がしたからな。まぁその後に俺も叩かれたが……あれは本当に痛かった。
内心は錬のアホな行動に呆れつつも、昨日受けた痛みを思い出していると懐にしまっているケータイが振動してる事に気付いた。
「こんな朝早くに誰からだ?」
俺が懐に手を入れて黒の二つ折りケータイを出すとメールが届いていた。送信者は何と羽瀬川からだ。
「ん? 何だ修哉。お前まだそんなの使ってるのか。今はスマホが主流だってのに」
「まだ買い換えないの? 前は換えるって言ってたのに」
俺のケータイを見た錬と江藤が不思議そうに見ている。俺が使ってるケータイは錬達と違って物だからな。それとは逆に二人はスマホを持っている。
最初は錬達と同じ物に買い換えようと思ったが、色々と調べてる最中にスマホでインターネットを使っても使わなくても一定の料金が掛かると分かったので止める事にした。俺としては通話とメールさえ出来れば良いので、無駄な料金を掛けるのは嫌だったから今のケータイのままにしている。コッチは自分からインターネットを使わない限り料金は掛からないし。
「コッチの方が性に合うって事に気付いて止めたんだ」
そう言いながら俺は羽瀬川から送られたメールの内容を見ると、
【Message From 羽瀬川愛美
天城にお訊きしたい事がありますので、昼休みの昼食後に屋上へ来て下さい。】
と言う内容だった。
屋上、か。まぁ教室や廊下で話すよりは断然良いな。それに加えて昼休みとなればどう言えば良いのかを色々と考える事が出来る。けど訊きたい事って一体何だ……?
「どうした修哉。誰からのメールだ?」
「もしかして愛美ちゃん?」
「ああ。羽瀬川から昼休みに屋上へ来いってさ」
二人からの問いに答えながらケータイを再度懐にしまう俺。
「けど何故か訊きたい事があるって書いてあってなぁ……」
「訊きたい事? それって――」
キーンコーンカーンコーン!
江藤が訊こうとするがタイミングよくチャイムが鳴った。その直後に担任の先生が来て、錬と江藤はすぐ自分の席に戻る。そして全員が席に着いているのを確認した先生はすぐにHRを開始した。




