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第10話

久々の投稿です。


それではどうぞ!

 綾ちゃんと別れてすぐに学校に急いだ俺は校門前に着くと、そこには和人がいた。


「悪い和人。少し遅くなった」


「どうしたんだい? 修哉にしては少し遅かったね」


「ああ、それがな……」


 和人と一緒に学校に入って更衣室に向かってる最中に綾ちゃんと会った事を話すと、


「綾ちゃんがまた苛められてたのか。全く。修哉に説教された子たちは懲りてないみたいだね」


 顔を顰めながら綾ちゃんを苛めた悪ガキ共に呆れていた。


「一応綾ちゃんには家の喫茶店に行かせて父さんに話すように言っといてある。ああでもしないと綾ちゃんは一人でずっと溜め込むからな」


「そうだね。そうしないと不味い。修哉の判断は正しいよ」


「後で父さんに聞いておかないとな」


 そう言えば綾ちゃんは今回誰かに助けられたって言ってたな。確か名前は……賢君だったか。多分綾ちゃんの同級生だと思うが、その子にはお礼を言っておかなければ。


「それと姉さんにも教えといたほうが良いと思うよ。姉さんは綾ちゃんを溺愛してるから」


「あ~そうだったな」


 和人の言うとおり紫苑さんは綾ちゃんを大切にしている。血は繋がらなくても大事な妹のように可愛がっているからな。


 以前綾ちゃんが苛められているのを知った紫苑さんは、物凄く怖い笑みを浮かべながら殺気を出して悪ガキ共を成敗するつもりだった。


 綾ちゃんを苛めた悪ガキ共とは言え、紫苑さんの恐ろしさを知ってる俺と和人は不味いと思って必死に説得をして何とか踏み止まらせ、その後は俺が悪ガキ共に説教をした。


 もし紫苑さんがやったら俺の説教以上な事をやっていた事は確実だと思う。キレた紫苑さんは相手が誰であろうと容赦無いから、悪ガキ共は絶対にトラウマ並みの恐怖を植えつけていただろうな。


「今度は姉さんに任せても良いんじゃない? 修哉の説教で懲りていないんだからさ」


「無論そのつもりだ。あの悪ガキ共には思い知らせてやるさ。佐伯先輩を敵に回したら――」


「私が何かしら?」


「「!!!」」


 俺が言ってる最中に突如声をかけられたので足を止めて振り向くと、そこにはいつの間にか紫苑さんがいた。


「さ、佐伯先輩……」


「姉さん、いつから其処にいたの? 全然気配を感じなかったんだけど」


「ちょっと驚かそうと思って気配を消してたのよ。それはそうと修哉君、何で君は私を名前で呼ばないのかな~?」


 そう言って紫苑さんは俺を問い詰めるかのように顔を近づける。


「い、いや……此処は学校ですから……」


「私は前から言ってるよね? 学校でも名前で呼んでって。どうして君は私の言う事が聞けないのかしら~?」


「で、ですから……」


「まぁそれは後で問い詰めるから良いとして。修哉君、さっき和人と一緒に私の事を話題にしてたけど、何を話してたの?」


 いきなり話題を変えてくる紫苑さんに俺はどう言おうか考えると、


「ちょっと綾ちゃんの事で話していたんだよ。あの子また苛めに遭ったらしくて」


「お、おい和人!」


「………え? 綾ちゃんが……?」


 和人がストレートに言ってしまった。その事に紫苑さんは急に真剣な顔になって目を細くする。


「何でいきなり言うんだよ!」


「いや、綾ちゃんの事は直球で言った方が良いと思って……」


 俺が和人を咎めていると、紫苑さんは声を低くして訊いて来る。


「どう言う事かしら? 詳しく聞かせて欲しいわ」


「あ、いや、その……」


「私の可愛い可愛い妹の綾ちゃんがまた苛めに遭ってるなんて……ひょっとしてまたあの子達の仕業かしら?」


「………そ、そうです。前回と同じく悪口を言われたり、物を隠されたりと。それに今回は女子からも嫌がらせをされてたみたいで……」


「ふぅん……」


 綾ちゃんから聞いた話しをそのまま教えると紫苑さんは頷いた途端、


「ふ……ふふふふふふふふふふふ……」


「「…………………」」


 笑いながら殺気を全開にした事により、俺と和人は身体が震えてしまった。


「(お、おい和人、これは……)」


「(うん。姉さんはもう完全にキレてるよ)」


「ふふふふ……全くしょうがない子たちねぇ~。修哉君のお説教で懲りないなんて……これはもう私が直々に出た方が良いわねぇ~。修哉君もそう思わない?」


「え、ええ、そうですね。綾ちゃんの為にも必要かと……」


「そうよねぇ~。ここは綾ちゃんの姉である私の出番だと思うのよねぇ~」 


 何かもう悪ガキ共を殺しそうな程の殺気を出しているので、俺は少し和らげようとある事を言う。


「け、けどその前に傷付いてる綾ちゃんを慰めた方が良いのでは? あの子は俺の父さんに今まで遭った事を話すって言ったので、ここは姉である佐伯先輩も話しを聞いた方が良いと思いますよ?」


「…………そうね。一先ずは綾ちゃんの方が先決ね」


 紫苑さんは優先順位を変えると先程まで振りまいていた殺気が雲散し、綾ちゃんの事について考え始める。


「綾ちゃんが聖也小父さまに話すって事は、今は喫茶店にいるのかしら?」


「ええ。今頃は父さんと話しているかと」


「そう……ならこうしちゃいられないわね。私もすぐに喫茶店に行かなきゃ! 修哉君、教えてくれてありがとね」


 そう言って紫苑さんは俺達と別れて去って行った。


「はぁ~~ビックリしたぁ~」


「ふうっ……弟の俺でも姉さんの殺気は怖かったな」


 紫苑さんの姿が見えなくなったのを確認した俺と和人は安堵の息を漏らす。


「ってか和人、お前がストレートに言ったせいで心が少し磨り減ったぞ」


「ゴメン。まさか姉さんがあそこまで怒るとは思ってなくて」


 全く。これから羽瀬川との試合前だってのに何か疲れた。


「……はぁっ。まあ後で報告する手間が省けたから良いか。これであの悪ガキ共は佐伯先輩の制裁を受けるのは確実になったな」


「そうだね。姉さんの事だから、かなりきついお仕置きをするのは確かだと思うよ」


 となると、万が一の事を考えて俺や和人も同伴した方が良いかも知れないな。紫苑さんはホントに容赦無いから、間に入って止めないといけないし。


「けど今は取り敢えず羽瀬川との試合に集中しないといけないな」


「こっちもこっちで重要だからね」


 綾ちゃんの事で考えながら試合をしてしまったら確実に羽瀬川に負けてしまう。一切の油断が出来ない相手だからな、羽瀬川は。


 俺と和人は再び足を動かして更衣室に着く。そこで俺は剣道着を、和人はジャージに着替える。その後は体育館に向かい、隅っこで和人とウォーミングアップをするのであった。

何か話がグダグダになっちゃいました。

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