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狩られよ狩人よ

目が覚めるとそこは満点の晴天だった

なんて気持ちが良いのだろうか

あのうるさい転生者共はいない

鳥がさえずり、風になびく草の音が耳を通る

今私がいる世界こそ本当の世界なのでは?

あの世界はただの悪夢だ

そうだ!

悪夢だよ

「あれはただの悪夢だったn……」

目が覚めれば銀の剣

大勢の転生者たちが私を囲む

困惑する暇すら与えてはくれぬ

首筋に当てられた剣が少しずつ首をきり進め

多少の血が首筋から流れ、

静寂と共に時間も過ぎてゆく

どうやら転生者も脳筋馬鹿だけではないようだ


「何が目的だ?」


私の首に剣を当てている転生者はにやりと笑い

首の剣を更に深く食い込ませながら言う


「貴様の首を取り、この世界は我々転生者が頂く」


雰囲気で分かる

長年の経験が言う

本能が叫ぶ

コイツだけは転生者とは何か、決定的に何かが違う

私と同列に並ぶ存在?

いや、それ以上………


「やれると思うのならやってみるがいい、さぁ」


一瞬にして私の視界は閉ざされた

首を切られ視界がぐるっと回り目が見えなくなった

だが甘い

駄菓子屋にあるよくわかんない飴のぐるぐる模様のやつほど甘い


「二重結界ッッ!!」


部屋が透明なバリアに包まれ私以外の転生者をはじき飛ばした

血液操作で首なんて一瞬で繋がる


「銀の剣で殺せると思ったその固定概念に溢れた脳みそを持った貴様らの負けだぁ!

ほ〜れ、悔しいならこのバリア破ってみろよ!」


二重結界は世界に無理やり結界を張り世界の間を作り出し中と外を作り出す私が編み出した素晴らしい防御技だ

これを破ったのならば彼はただの転生者ではない

さぁ、来るなら来いっ!

身構え戦闘の姿勢をとる


「………………?」


来ないな…?

え?

なに?


……おかしい

予想では、今ごろ轟音とともに各種属性魔法がこの結界に降り注ぎ、それを私が「フッ、無駄だ」と涼しい顔で受け流しているはずだった

だというのに、静かだ

あまりにも静かすぎる

私は恐る恐る、結界に小さな溝を作り外側を覗いた

すると、どうだ

「――チッ、逃げられたか」

あの「危険な気配」を纏ったリーダー格の男が、つまらなそうに剣を鞘に収めているではないか。

え?

逃げた? 誰が? 私が? 


「おいおい、冗談だろ? ここにいるぞ!目の前だ!、この透明で美しいバリアが見えないか!?」


私は結界の中からバンバンと壁を叩いてアピールした

だが、彼らの視線は私の体を素通りし、虚空を見つめている

……まさか

私は戦慄した

『二重結界』

それは世界と世界のハザマに空間を作り出し、物理的、魔術的干渉を完全に遮断する、私が編み出した最強の防御技だ

その効果は「絶対防御」

だが、そのあまりに完璧すぎる遮断性能ゆえ…

私はそこにいない存在になったのだ


「あれ…?俺たちなにしにきたんだっけ……」


「なんでお前らこんな所にいるんだよ!、オラっ!外でろ俺の経験値にしてやらァ!」


転生者たちは不思議に思いながらも

待て、待ってくれ

これでは私が「ビビって異次元に逃げ込んだ腰抜け吸血鬼」みたいではないか!!

「違う! これは高度な戦略的撤退というか、無敵バリアによる迎撃態勢で……おい聞け! 無視をするな!!」

私は結界の中で必死に叫んだ

だが、悲しいことに

『二重結界』は音さえも完璧に遮断する

私の魂の叫びは、1ミリたりとも外には届かない

唯一、あのリーダー格の男だけが、去り際にチラリと――私のいる空間へ視線を投げた気がした


「……興が削がれた」


侮蔑

あるいは、失望

冷ややかな一言を残し、彼は転移魔法で姿を消した

残されたのは、誰もいない草原と、最強の結界の中で一人ポーズを決めていた私だけ

「……………………」

私はそっと、二重結界を解除した。

パリン、という乾いた音が、やけに虚しく響き渡る

勝った

防御という意味では、完全勝利だ

傷一つ負っていない

だがなんだろう

この、首を切られた時よりも深い、心の痛みは


「私は何をしているんだ……」


私は膝をつき、本日二度目の敗北を噛み締めた

覚えていろ、あの目つきの悪い男

次こそは、今までの屈辱を晴らしてやるからな…!

4話はしっかりと戦闘シーン書きます

許して

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