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転生者は限度を知らぬ

どうやらイキっていたのは私のようだ

そもそも転生者一人相手にできても複数現れれば私でもどうしようもない

命の灯火が消える前に瞬間移動で逃げれて本当に良かった

転生者がただの血液にしか見えないだの久しぶりの飯だの言った奴は誰だ

私だ

吸血鬼としての数千年の寿命の中で、これほど恥ずかしい数秒間があっただろうか

いや、ない

断じて無い


古城の玉座の間

私は黒焦げになった愛用のマントを床に投げ捨て、ゼェゼェと犬のように荒い息を吐きながら床に転がっていた。

強再生能力が働いているものの、聖属性の魔法を食らった背中が、まるで鉄板の上で焼かれたカルビのようにジリジリと痛む。


いや、言い訳をさせてほしい!

私の作戦が間違っていたわけではないのだ。

夜空から奇襲をかけ、一番うるさいリーダー格の首を跳ねる。

完璧なプランだった。

獲物は隙だらけだったし、私の爪は確かに奴の喉元まで届いていた。

だが、誤算があった。

それは、奴らが「転生者パーティー」だったということだ。

私の爪が届く直前、リーダー格の男の背後から、どこからともなく湧いて出た金髪の聖女が叫んだのだ。

「あぁっ! キョウヤ様、危ないっ! 絶対聖域ホーリー・サンクチュアリッ!!』

バヂィィィン!!

私の爪は、謎の光の壁に弾かれた。

これがまぁ~、最高に痛い

だがそれだけならまだいい。

すかさず、横にいたメイド服の女が巨大なハンマーを取り出し、

「ご主人様の邪魔をするな害虫がぁぁぁ!!」

と、物理で殴りかかってきたのだ。

なんだヤンデレまで転生するのか?

さらに、足元にはいつの間にか魔法陣が展開され、後ろからは弓矢が飛んできた。

聖女、メイド、エルフ、獣人……。

あの男の周りには、いつの間にかハーレム要員という名の自動防衛システムが完璧に配備されていたのである。

卑怯だろ!!!

こちとら一人だぞ!?

1対5って、集団リンチの現場じゃないか!!

しかも、奴らの反応が腹立たしい。

命からがら瞬間移動で逃げ去る直前、リーダー格の男が言ったセリフがこれだ。

「おっ? なんだ今の。シークレットイベントか? 逃げられたけど、レア確定演出じゃね?」

誰がレア確定演出だ。

私は「世界の均衡を保つ管理者」であって、「倒すと経験値がいっぱい貰えるボーナスモンスター」ではない。

断じてない。

まぁ確かに倒せば経験値は凄いだろうがな?


誰にマウント取ってんだ私…


「……くそっ、痛いなぁ」

私は涙目で背中の傷をさすった

マントもボロボロだ

これ、お気に入りのマントぞ?

聖属性の魔法で白っぽくなってるし

漂白剤かよ


私はよろよろと立ち上がり、サイドテーブルにあったワイングラス(中身は一週間前に狩った猪の血)を一気に飲み干した。

……獣臭い

さっきまで「極上の人間の血を飲むぞー!」と意気込んでいた分、余計に惨めな味がする

だが、この不味い血のおかげで、少しだけ冷静になれた

「あ"ぁ゙ーー!!!!、なんなんだよあの強さ! 俺だってなぁっ、オメーらがしてきたこと一人でやってたんだよ!、なのに次々と群れてイキりやがって!!!

冷静?、んなもん捨てたわ!!!」

叫ぶわ暴れるわ

もうどうしよう

どうしよう


困りました

展開に困りました

勉強も困りました

どうしよう

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