雪の女王への宣戦布告
入学式が終わって2ヶ月ほどが経っていた。
「おい光星、今日カラオケ行こうぜ」
そう声をかけたのは透流弐雲、高校でできた友達の一人だ。
「俺は行くけど、他誰誘ってるん?」
「俺だ!」
そう言ったのは珠洲紫龍も高校でできた友達の一人だ。
俺と弐雲と紫龍の三人は入学から一緒に仲良くやっている。
「そういえばお前ら中間試験残り2週間切ってるけど大丈夫か?」
俺はそう声をかける。
「ま、俺も紫龍も光星も行けるだろ」
「まぁここ全員入試の順位TOP10に入ってるしな」
そう返される。
ちなみに俺等の高校では入試の順位がTOP10に入れば学費は免除ということになっている。
カラオケも終わり一人で家に帰る。
「ただいま」
「おかえり~、今御飯作っている最中だから洗濯物でもお願い!」
「おう!」
この家に引っ越してから2ヶ月ほど経ったがだいぶ関係も良くなってきた。
「いただきます」
「いただきます」
美玲の料理ができたので食べ始める。
「美玲の料理はいつも美味しいよな」
「あ、ありがとう……」
「照れてる?」
「そ、そんなことない!」
おれがいつも通り美味しいと言ったつもりだったがなぜか知らないが美玲は照れた様子を見せる。
「かわいい……」
「なんか言った?光星」
「何も言ってねぇよ」
つい心の声が漏れてしまった。
「そういや来週の土曜、昼からこの家に弐雲と紫龍が来ることになった」
「誰ですか?」
「そういや違うクラスだったか、まぁ俺の友達」
「その時間は家を開けときます」
「ありがとな、美玲」
一応だが、美玲と俺の関係は学校では言わないことになっている。
学校では美玲の評価は結構高くすでに何回か告白されたとも言っていた。
バレると色々面倒なことになりそうなので黙っている。
「学校では評価高いけど、家での姿は知らないんだろうな……」
「なんか言いましたか?光星さん」
「ナンモイッテナイヨ」
「ふんっ」
つい思ってることを口に出してしまったら美玲がすねてしまった。
「それよりテスト2週間前だけど美玲は大丈夫なのか?」
「まぁ、一応勉強はしてますからね」
正直いつもゲームで遊んでるようにしか見えないが勉強しているらしい。
これは入試で1位をとられた無念を晴らすチャンスではないか?
俺はそう考え1つの提案をした。
「まぁお前がテストで1位でも取ったらケーキ買ってやるよ」
「ありがとう」
「その代わり俺が買ったらケーキ買ってくれな」
「正直負けることなんてないので全然大丈夫ですよ」
と美玲は煽ってくる。
正直今回のテストはかなりの自信があるので絶対に勝つと思う光星であった。