意外とダメダメな雪の美少女
俺が引っ越して一週間が過ぎようとしていた。
この一週間で学んだことは、彼女は意外とだらしないということだ。
例えを上げるなら……。
「おい、もう朝の8時だぞ~」
そう声をかけるとようやく起きる……、いや起きない。
「ん~。」
こういって二度寝しようとする。
「明日からは学校なんだから夜ふかしは控えろよ」
「ん~」
顔だけ見ると可愛いんだよな~、とか思いつつも明日から大丈夫なのか不安になる。
「んしょ!」
「やっと起きたか」
「おはようございます……」
眠そうな返事をしながら洗面所へと向かう。
俺が彼女、月海美玲に感じた第一印象は育ちの良いお嬢様だが今見ると堕落したお嬢様のようにみえる。
「なんか失礼なこと考えてません?」
と彼女に言われたが俺はしらを切る。
「起こしてくれたお礼に朝食は私が作ってあげます」
「なんで上から目線なんだよ」
「……。」
彼女は俺に言った言葉をフル無視して朝食を作り始めた。
「星宮さんこれをパンに塗ってトーストしてくれません?」
「わかった」
そうして朝食を作り初めて15分程で完成した。
「今日はフレンチトーストか」
「それではいただきましょう」
そういってフレンチトーストを口に運ぶ。
「美味しいなこれ」
「そう言ってもらえると嬉しいです!」
嬉しそうに彼女は答えた。
「明日から学校ですね、星宮さん」
「俺はお前が起きれるかが不安だがな」
「"料理"以外はすべてやってくれると言ってくれたじゃないですか!」
「はじめからそういうことだったのか……」
どうやらルールを決めた時点から俺が美玲を起こす美玲は決まっていたらしい。
「明日朝、一緒に登校とかするのか?」
「……逆に星宮さんは一緒に登校したいのですか?」
「別にそういうわけじゃ……ないけど。」
「それでは別々に登校しましょう、入学初日からカップルと勘違いされるのは色々と面倒くさそうなので」
そう美玲は少し顔を赤らめながら言う。
「俺はお前が道に迷わないかが心配だがな」
「そこまで子供扱いしないでください」
と美玲は拗ねる。
そんなところも可愛らしいと思う光星であった。