第一話 「続編」
城に集められた4人
果たして王の目的は…?
あれからどれくらい経ったのだろう。
俺が、俺たちが魔王討伐をして村に帰ってから。
きっと冒険年数も含めて5年は経っている筈だ。そんなに長くもないが、俺にとっては結構長い冒険だった。
俺はマキア・イーリー、" 最年少勇者一行 " の元魔法使い、とでも言えばいいかな。
今はごく普通の一般市民として暮らしている。
俺以外のメンバーはというと、
まず僧侶だったナタリア・ヴァールハイト、愛称ナターシャ。
確か家の教会で妹に治癒魔術の基礎とかを教えてるんだっけか?
そういえばヴァールハイト家は姉妹仲がいいことで有名だったんだった。
で、次は戦士だったアリス・ソアレ、愛称アリー。
実家が道場だから、そこで修行してるとか言ってたな。
元気に暮らしてるようで何よりだ。
次に勇者、アネモ・マリーゴールド、だが。まだ見つかっていない。
元々はナターシャとアリーも協力して探していたが、次第に皆諦めるようになってしまっていた。
まぁ無理もない、365日ずっと探していて見つからなかったんだ。
俺だけでもいい、絶対アネモを見つけ出してみせる。
そうこう思ってるうちに家に一通の手紙が来た。
(手紙か、誰からだ?)
開いてみると、それは王からだった。簡単に言うと、今日午前12時に城に来いという内容だった。
今の時刻は10時ちょっと過ぎ。城に行くまで少し時間があるからゆったり準備するか。
家を出る寸前に思い出した。
(王からの手紙で、確か役職に合った服装…とか書いてあったな。確か俺は魔法使いか…嫌な予感がするな)
急いでクローゼットの奥から昔使っていた綺麗な白色で袖や裾に金色の布が使われているローブを取り出した。
(こんなもんだろ)
それから急いで家を出る。
城に入る直前、綺麗な銀色髪の女の子が城の前に立っているのを見つけた。
きっとあの子も招待されたのだろうと確信を持つ。
(声かけてみるか。)
「ねぇ、城の前でどうしたの?」
目の前の女の子が肩をビクリとはねさせる。
「えっと…国王様に手紙で呼ばれたんですけど、本当に入っていいのか分からなくて…」
(この子も手紙で呼ばれたのか。)
「それなら僕も同じだよ、もし不安なら一緒に入る?」
「ありがとうございます!あ、自己紹介がまだでしたね、私はアイラ・ヴァールハイト、僧侶として国王様に招待されました。貴方は?」
(ヴァールハイト…ナタリアの妹か。それにしても姉妹よく似てるもんだ。同じ僧侶として招待されるなんて。)
「僕はマキア・イーリー、魔法使いだよ。よろしくね。」
そう言って城の中に入る。きっと中にはほかの勇者と戦士が居るはずだな。
(きっと、いや絶対また冒険すると思うが、メンツは変わってるようだな?)
ガチャン。
城のでかい扉を開ける音が鳴り響く。
案の定、城の中には俺と僧侶ちゃん以外の人間が2人いる。多分勇者と戦士だろう。
「全員集まったようじゃな。」
城の真ん中に立った時、目の前の玉座に座っている王が口を開いた。
「本日は我々を集めてどうされたんですか?国王様」
(あれは…見るからに勇者みたいな顔と服装だな。性格もきっとそうなんだろう。羨ましいぜ。)
そんな考えを心の隅で考える。
「いきなり集めてすまんのう、実はお主ら
を新しい " 勇者一行 " として集めたのには理由があるんじゃ。」
(" 勇者一行 " かぁ…)
「実はつい先日からまた魔王が復活した、との噂があるんじゃ。しかもデタラメじゃなく、本当に復活した、とか何とか。だからお主らには新しい勇者一行としてその噂を確かめに行って欲しいのじゃ。」
(また冒険すると思っていたが、まさか魔王が復活した、との噂を調べにいけだなんて…)
「分かりました。その噂、ここに集められた4人、" 新勇者一行 " で確かめさせてください!」
(本当に勇者だな…あいつと違ってしっかりしてそうだ。)
第一話です。書くの慣れてないので短いです、ごめんなさい。