一 序章
勿論、フィクションです。警察、検察、精神病と勉強不足な処があり、内容が納得しない処もあると思いますが空想と思って読んでください。
少し古いエアコンなのか? ファンが時々カタカタと音を出している。
薄暗い部屋で蛍光灯の豆電球だけが点いている。私の下にミクがいる。
その最中に目を開け私を見つめて「正人、私のこと好き? 愛している?」
と聞いてくる。
「うん」と答えると、「嬉しい」と上半身を起こし抱き付いてきた。
何時ものことで、人は煩わしいと思うが私はそれが可愛く、愛おしく思えた。
始めてミクを見たのが、会社の近くのレストランに同僚と昼食を食べに
行った時だった。店には二人のウエートレスがいて、ミクはその一人だった。
小柄で痩せていて男好きな顔をしていた。もう1人の子は肉感的で性的な魅力が
あったが、私はミクに一目ぼれをした。
ミクの名前は漢字で未来と後に教えて貰った。
それからは毎日のように昼食を食べに行き、常連のようになり、ミクも試食
と言い余分に一品多く出してくれる事もあった。
話をするようになり、ミクの休日に食事とかドライブに行くようになった。
自然に男女の関係になった。
私は高校を卒業して、メーカーの地方工場に就職した。
育ったのは隣の県で親も健在している。
工場の寮に入り働き始めたが、毎日、同じ工程の流れ作業と寮の上下関係と
規則に嫌気がさして6カ月程で辞めてしまった。
工場の近くの建設会社が作業員を募集していたので面接に行き、
履歴書を提出しただけで採用になった。
仕事は現場監督の補助で施工図や工程表を描くことだったが、雑用係だった。
工事開始当時は雨だと休みが多く、日給で健康保険、年金、失業保険は
天引きされていた。
地方の建設会社で工事現場は地元が多く県外に仕事で出掛けることはなかった。
工場と建設会社の寮の違いは明らかだった。
建設会社の寮はただ寝るだけの空間だった。
毎日のように午後四時半に仕事が終わり、5時に会社に戻り、寮の近くの安い
飲み屋で夕食を兼ねて飲み、寮に帰ってシャワーを浴びて寝る。
規則もなく人との交際もなく私には気が楽だった。
工場の寮は朝食と夕食が付いていたが、色々な規則があり私はそれが嫌だった。
建設会社のプレハブの寮よりアパートに移ったのは4年程経った頃だった。同僚の
信二さんに連れられミクのレストランに初めて行ったのは
越してから直ぐの時だった。
信二さんの目当てはもう1人のウエートレスで、俺が狙っているので手を出すな
と言われた。
私がミクと付き合い始めた頃に信二さんも目当ての彼女と付き合い始めていた。
ミクは水曜日が固定の休みなので火曜日の夜9時頃私のアパートに
来て泊り、次の日の午後に帰って行った。
たまに水曜日の朝から夕方まで車で遠くに出掛けた。ミクは海が好きで、
波打ち際でミクが波と戯れている姿を見るのが好きだった。
そんな生活を続けていた時に信二さんから話があると飲み屋に呼び出された。
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