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第十六話 僕とアリアナさんは村に入る

「お待たせしました。村の中をほぼ全部見て来ました」

「そうかい、で、どうだった」


 ゴブリンに捕らえられていた人達は多少の怪我をしていたものの、全員が馬小屋の中に入れられていて、その馬小屋は二匹のゴブリンが見張りをしていた。


「それでですね、変なのは……」


 ボスだと思われるゴブリンは教会の中に居たが、その姿は顔を隠すような服装を着ていて、起きているのか眠っているのか分からないがフラフラと立っている。それが五匹存在していた。


 残りのゴブリンが馬鹿な顔をしているのに対し、異様な雰囲気のゴブリンだったのでこの五匹がボスクラスの個体だと僕は思っている。


「此処には百体のゴブリンがいるんだよね、そうなるとボスクラスが五匹いても変じゃないね。五つのグループが合わさったか」

「そんな事あるんですか」

「分からないよ、大体ねぇ王冠を被っているとか、そんな分かりやすい奴はいなかったんだろ」

「はい……」


 起きているゴブリンは少ししかいないので、あまり小細工はしないことになった。僕達は正面から入り、中に入ったら僕は左方面の馬小屋を目指し、アリアナさんは右方面の教会を目指す。


「腐闇」


 入口にいる見張りのゴブリンに対して上空から【腐闇】で身体を包み込む。その闇が身体に触れるだけで皮膚や肉や骨が崩れ去って行く。


「相変わらず気持ち悪い魔法だね、えげつなくて見てられないよ」

「そんな事を僕に言わないで下さいよ、気にしてるんですから」


 ゴブリンが崩れていくこの光景は術者の僕ですら引いてしまう。この魔法が使えるようになった時は無敵の魔法を手に入れたと思っていたが、弱点を突かれると簡単に防がれてしまう。


「それじゃあ中に入るとするか、そうだ、ちゃんと渡してあるだろうね」

「全てのスケルトンに渡してあるので大丈夫です」


 てっきり術者であるアリアナさんにはその事は分かっていると思ったが、知らなかった事には多少驚いた。このスケルトン達は各個体に意思という物があるのかも知れない。


「あれっ、家からまた出てきたね」

「まぁ……腐闇」


 そのゴブリンや見える範囲で地面の上に寝転んでいるゴブリンに魔法を放っていく。この中には僕よりも小さい子供のゴブリンも含まれているのでほんの少しだけ目を背けたくなってしまうが、命を奪っているのだから目を背けないようにしている。


 スケルトン達は一体ずつ家の中に入って行ってその中にゴブリンがいたら排除し、居なくなったら家の中の物で渡した魔法陣の大きさ以下の物をその中に入れていく。その魔法陣は僕が食料を入れてある魔法陣よりも多く中に入れられる。


 アリアナさんに命令権を譲られた二体のスケルトンと共に馬小屋に向かって行くとゴブリンはスケルトンを認識しているはずなのに攻撃を仕掛けて来ない。何も警戒していないゴブリンの見張はスケルトンによって簡単に倒された。


 僕の出番は全く無かったが、馬小屋の中に入って行くと先程見たとおりに村人が鎖で繋がれている。


「こんばんは、僕はクルナ村のレーベンです。そしてこのスケルトンは敵ではなく味方です」

「それは本当なんですか、ひぃぃぃ」


 馬小屋に入って来て僕に襲いかかってきたゴブリンをスケルトンが簡単に倒してしまった。僕が魔法で倒すよりも安心してくれるだろう。


「こんな風にこのスケルトンは人間を守るように行動しますので安心して下さい」

「そうなのか、有難う」


 スケルトンに命令を出し、鎖を壊してもらう。僕は解放された人から順番に回復薬を渡して行った。


「僕が探索したときはあなた方しか生きている人は発見できませんでしたが、他に生存者がいる可能性はありますか」


 彼等はお互いに顔を合わせながら、思い出している。


「何人かが殺されているのを見たな、俺も駄目だと思ったがいきなりゴブリンは殺すのを止め、俺達を捕まえ始めたんだ」


 他の村人もほぼ同じような意見で、何故かゴブリンはいきなり行動を殺すから捕まえるに変えたららしい。


「殺された者は警備兵が殆どだ。彼等は身を挺して守ってくれたんだ。私は奴らに復讐がしたいんだ。どうか武器をくれないか」

「僕を見て分かるように武器はスケルトンしか持ってません。戦闘は彼等に任せて此処でじっとしてくれませんか、下手に動かれると守り切れませんので」


 その理由が全てではなく、出来れば僕やアリアナさんの魔法を見せたく無いと思っている。彼等の復讐したい気持ちは理解するが、邪魔でしかない。


 村人たちは少し不満そうだが、二体のスケルトンに彼等を託して僕は強化に入って行った。



 


 ガーシー凄いな

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