梅雨の隙間に
三題噺もどき―ろくじゅうさん。
お題:布団・物干し竿・洗剤
ゴウン―ゴウン――ゴウン――
古めの洗濯機が、少々やかましい音をたてて動いている。
梅雨の時期に入り、なかなか晴れることがなく、洗濯が思うようにできない日が、何日か続いた。
しかし今日は、久しぶりに太陽がその顔を覗かせた。
「……」
外は、昨日までの雨が嘘だったように、雲一つない青空が広がっていた。
カーテンを開くと、久しぶりに陽の光が差してきた。
(ついでに、布団も干しとくか…)
敷きっぱなしになっていた煎餅布団を持ち上げる。
引きずりながら、ベランダへと向かい、手すりが汚れていないかを確認。
軽くふき取ってから、そこに布団をかける。
「あつ…」
外に出ると少々蒸し暑かったが、洗濯をするにはちょうど良かった。
キラキラと光る日の光が目に痛かった。
(ねむいな…)
そんなことを思いながら、ぼーっとしていると、
ピー、ピー、ピー
洗濯機が、終了の合図とともに、早く中身を出せと、急かしてきた。
洗濯物をカゴにとりだして、もう一度ベランダへと向かう。
シワを伸ばすために、服をはたくたびに、洗剤の香りが広がり、鼻腔をくすぐる。
1着、1着、ハンガーにかけ、物干し竿につるしていく。
「よし―。」
全てを干し終わり、風のそよぐ窓辺に、クッションを枕にして、寝転がる。
丁度いいぐらいに、日差しが遮られ、ポカポカとしていた。
ウトウトとしながら、これからの予定を考える。
「………いいや…」
微睡みに身を預け、意識をゆっくりと手放した。