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⑹『夜の公園の灯』
⑹『夜の公園の灯』
㈠
腐りきった脳髄の狭間から、太陽が顔を出す。夜の公園が、太陽に照らし出される空間へと変容する時、忽ち、自己の記憶の灯は、水を掛けられて灯を消す様に、じんわりと消え去る。また、太陽が夕陽になって、沈むまでの間の、無空間を、昼の公園は表している。
㈡
それにしても、夜に公園で花火などをした記憶もあるが、あれは幻想的だった。追憶の風景には、未だにあの風景が忘れられずに居る。それでも、前を向いて行かなければならないことは、誰であろう、そうである、自分が一番分かっているはずである。
㈢
夜になれば、また、述べた様に、夜の公園の花火を思い出すこともあるが、それはそれで、記憶に置いておけば適切だろう。今は、その再現を夢見ればいいし、夢の中でも、その風景は、刻銘だから、と、夢でも見たと言ってみたい程、夜の公園の灯には、魔物が住んでいる。