コーンスープ
僕は、あれからセルフで毎日自分のメンタルカウンセリングを行なっている。
天才なだけに医学の総分野に渡る知識はあったからね。
過去のイジメやレイプについて、自問自答な毎日だ。
サクラにも気づかれないようにカウンセリングを行なっている。
僕は親の愛は与えられるが夫としての愛は拒絶されてしまったから、先ずは創世主として親として。
そして、他者として医者として。
サクラを子供のように育てていこうと思っている。
そうこうしている間に、ハンバーグとコーンスープが出来上がる。
日本人だから米を用意したいけどここじゃ美味しい米が見つからないから、今日のメニューはこれだけ。
お行儀よくスプーンでコーンスープを口に運び初めての味を楽しんでるようだ。
すっかりお皿は綺麗になり、余程気に入ったのかお代わりを催促してくる。
可愛かったので僕のをあげたら嬉しそうに食べていた。
いつかサクラに戸籍が与えられたら日本へ連れて行って美味しい米を食べさせてあげたいな。
鮭のおにぎり作ってあげようかな?
こんなことを毎日考えられるだけで僕は幸せだ。
サクラのくるくると変わる表情にいつも癒されている。
この子を誕生させて本当に良かった。
心からそう思える。
学会とサクラの戸籍を作る為の運動で忙しいけど、今日はやっとのことで手に入れた午後からの休息。
「サクラ、これ食べ終わったら買い物にでも行かないか?服買い足そう。」
サクラに目線を送る。
「お前が行きたいならそうしろ。サクラは買い物はネットで済ませたらいいと思うがな。」
情報でしか買い物を知らないサクラだ。
買い物の何が楽しいのか理解できないのだろう。
でも、行ったらきっと喜ぶぞ。
何も知らない赤ちゃんのような無垢なサクラの喜ぶ顔を想像して、僕は心の中ではしゃいでいた。
-僕が行きたい。それ間違いないな。-