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すれ違う心

「みんなー、おっはよー。」

ノエルはご機嫌だ。

僕は今日、彼女と一緒に登校したのだ。



-あぁ、頭が痛い!-

勿論、そこにはサクラと咲も居る。


一瞬、サクラと目が合った。

僕はフォローしようとするが、サクラはすぐに目を逸らす。

撃沈だ。



そんな僕の気持ちをまったく無視してリアムが僕達の事を聞こうと話し掛けてきた。

「え?

もしかして咲良、彼女と?」


「そっ!私、咲良とお付き合いすることにしたの!」

誤解を訂正しようとする僕をノエルが遮る。



「違っ!

ノエル、みんなが誤解するだろ?」


「ひっどーい!

一晩女と過ごしておいて、なにが誤解よー?」

彼女はいつもの膨れっ面だ。


「あれー?

咲良、いつからあなたそんな薄情な男になっちゃったの?」

ミーシャまでも便乗し、僕を煽ってくる。



僕は、このままじゃいけないと大声で事態を説明する。

「あのね、みんな聞いてよ。

僕は確かに昨晩、ノエルと居たけどみんなが思っているようなことは何もないんだ。」


「でも、キスはしたわよね!」

ノエルはすかさず僕の話に割って入る。

彼女は僕に誤解を解かせまいと邪魔してくるのだ。



「それは君に付き添ってた時、僕が寝てしまってその時に。」


「いいじゃないの?

それでもキスはキスよ!」

彼女は、悪びれる様子もなく不敵な笑みを浮かべる。


心が苦しい。

サクラの目線が痛い。

こんなにハラハラするのは久しぶりだ。

そんな僕をよそ目にリアムは事情を聞いてくる。

「付き添ってたのは一晩だろ?

キスの後はどうしてたの?」


「2人でずっと起きてたわよ。」

皆は、目が点になった。



「あー、もう!

その後も付き添ってたよ。

ノエルを1人にできる感じじゃなかったから。

本当にキス以上は何もないんだ。」


「ノエル、そうなの?」


「なんだっていいじゃない?」

リアムは呆れた表情でノエルを見る。

ミーシャもそうだ。



居てもたってもいられなくなったのか、そこにサクラが入ってくる。

「お前!

あれ程、女から酷い仕打ちを受けておいて、また女から襲われたのか?


それは、ライオンの檻に自ら飛び込むようなものだぞ!!」

サクラ、君の言い分はごもっとも。

だけど、ミーシャとノエルが居る前で言うか?



「え?

サクラ、どういうこと?」

ミーシャは何があったのかと驚く。


「お前が…、お前達が、さーちゃんを犯したのだろ?」


「ミーシャ、そうなのかい?」


「え?いや、咲良とはセフレだったけど…。」

ミーシャは何も知らなかったという顔だ。



「お前は、さーちゃんがまだ精神的に未熟で何もわからなかった時、さーちゃんを襲ったのだ。

自分の快楽を得るためだけに。」


「ちょっと待って、サクラ。

あのね、そんなの誰でもしてるし、精神的に未熟と言っても咲良もそれくらい理解してるし。」


「お前達のセックスの意味は一体なんなのだ!

快楽でするものなのか?」


「え?

そ、そうそう。

彼氏とのセックスは愛の為と快楽の為。

セフレとのセックスは快楽と満足感の為。

サクラには、まだわからなかったかな?


あれ?

サクラは咲と付き合ってると思ってたけど、もしかして処女?」

ミーシャはあっけらかんと答え、サクラはジリジリと焦りと怒りをあらわにしていた。

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