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再来

あれから数カ月して、またアイシェがここに来ることが決まった。

アイシェの劇的な偏差値の伸びに皆が驚き、またアイシェの教育をとお願いされたからだ。


本当は数週間後との依頼だったが、僕の仕事が溜まっていることから数カ月後にして貰った。



そして今日はアイシェがここに来る日。

サクラと咲と一緒にアイシェ達を待つ。



「お久しぶりです。

アイシェさん。リアムさん。

歓迎します。」

いつもながらの咲の丁寧な挨拶。


「ありがとう。」

リアムは、堂々と咲の歓迎を受ける。


「今回は、またこのような機会を与えてくださり、ありがとうございます。咲さん。それからサクラさん。そして、紗倉教授。」

アイシェが後に続く。



「アイシェ、よく来たね。久しぶり。」


「愛ちゃん、お久しぶりですなのだ。」


たった数カ月離れていただけだというのに、アイシェからは成長を感じられる。

大人っぽくなったというかなんというか、なんだか前よりも一段と綺麗になった。

以前のような自信なさげで憂いを帯びたような雰囲気がなくなっている。



これから3ヶ月間、僕のもとでアイシェの学習プログラムがスタートする。

アイシェはあれから勉強のコツを覚えたようで、あっちでも独自の学習プログラムで勉強を進めていた。


僕の報告・進言でアイシェの学習担当の全権が母へ移ったのだ。

母は幼い僕に勉強を教えるのが得意だった。

僕は、1歳の頃にはアルファベットや簡単な単語を読み書きすることが出来たし、おはじきを使った簡単な足し算、引き算ができた。

おはじきを数えながらだと簡単な掛け算もすることができたと聞いている。


3歳になる頃には、大抵の絵本は1人で読むことができた。

辞書の引き方も学んだ、

日本の教育番組とアメリカの教育番組を録画し、母が編集をした教育DVDで日本の小学校やエレメンタリースクールの内容を既に学習していた。



今の僕の学習プログラムは、幼い日、母に教えられたことが基礎となり、それを発展させたものとなっている。

ー本家が出て来たのなら、僕は必要ないんじゃないか?ー


本気でそう思った。




アイシェは僕に最高の笑顔を向ける。

「紗倉教授、ずっと会いたかったです。

離れている間、紗倉教授のことを忘れたことはありません。

また紗倉教授と一緒に居られるだなんて。」


頰を高揚させながら、僕に熱い想いを打ち明ける。

本気で僕を愛してくれているのが伝わってくる。



しかし、アイシェと離れている間、サクラを想い続けていた僕にはアイシェの言葉が他人に掛けられた言葉のように感じられて、自分が自分だか他人だかわからないような錯覚を起こした。

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