分析
サクラの性格を分析する。
世界一清浄な処女として創り出したサクラは僕がDTであればこう言うだろう。
「やっとお会いできました。神様。」
そして最高の笑顔を僕に向ける。
僕は、サクラを抱きしめ、
「産まれてきてくれて、育ってくれてありがとう。」
こう言う。
サクラが自分で自分が僕の嫁であることを理解していたとまでは思っていなかったが、もし僕の嫁であることを理解して産まれたきたのなら、
「神様は、私のご主人様?」
と聞く。
僕は、
「そうだよ。結婚しよう。」
そして難なく結婚式。
結婚してからも、サクラが可愛すぎて他の男に狙われるくらいしかトラブルは予測できない。
僕はサクラが大好きだし、サクラも僕が大好きで離れないだろう。
幸せな未来。
でも、もうこの幸せな未来はおとずれない。
サクラが産まれる寸前までお姉さん達のオモチャであった僕と世界一清浄な処女のサクラ。
サクラが産まれる寸前まで裏切っていた僕と天使のようなサクラ。
サクラにとって裏切りは悪だし、嫁以外との性行為は汚いこと。
サクラをそういう風にプログラムして、そういう風にこの世界のことを教えたのは僕だ。
でも、僕がオモチャになり裏切らなければ、サクラは産まれてくることも出来ずに殺されていた。
この実験装置一式を自分で買って、安全な自宅に置くわけにもいかないだろ?
葛藤が僕を押しつぶし僕の身体は鉛のように重く息をするのでさえままならなかった。