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アイシェ

研究機関に到着する。

僕達はセキュリティカードを持っていない為、門番に名前を伝え、身分証を提示する。

それを確認した門番は一番奥の建物の5Fへ行くようにと促した。


奥へと進む。

高くそびえる大きな建物。

その中にアイシェがいるのか。


5Fに着くとミーシャが出迎えてくれ、何重ものロックがされた扉が続く中、アイシェのもとへと案内された。


最後の扉が開く。

中には白衣を着た上層部らしき人達と可愛らしい女の子がこちらに顔を向けていた。

おそらくその女の子がアイシェなのだろう。

アイシェは白人と聞いていたが、髪の色はエメラルドグリーンだ。

金髪を予想していたから、これにはまったく虚を突かれた。


白人好みの形の良い小さめ胸に、サクラよりしっかりとした腰。

おそらく均整のとれた筋肉がついているのだろう。

そこからスラリと伸びる長い手足。

サクラとは違うが綺麗な女の子だ。



挨拶を交わし名刺を交換する。

上層部らしき人達は、サクラと咲を上から下まで食い入るように観察し、まるで実験動物のような目で見る。

僕は、

「今回、呼ばれたのはどのようなご用件でしょうか?」

と、威圧的に牽制する。



「いやあ、君の創ったNEW人類は本当に素晴らしいね。美しい。

おまけに知能も高いのだろう。

サクラと咲の情報を是非とも我が研究機関に提供してくれないか?」

上層部の中でも一際、偉そうなオッサンが今回の面談の理由を告げる。



「お言葉ですが、それは法やコンプライアンスをまったく無視しているのではないでしょうか?」

怯んではいけないと、僕はしっかりとした口調で拒絶する。


「それでは、咲の精子を提供して貰えないだろうか?

アイシェと咲の子供を人口羊水で育ててみようと思うんだ。」

ニンマリといやらしい表情を浮かべ、咲の下半身を見る。


「出来ませんね。

咲には人権がありますから。

咲の意思なしにそのようなことはできません。」


「それでは咲へ聞こう。」


「嫌です。」

咲は、下衆を見るような目で幹部達を見て、それからきっぱりと拒否をした。



「たかが精子だよ。

それを提供したところで君達がどうこうなるわけじゃない。」


「アイシェを創ったのですから、咲を使わずとも精子くらいタンパク質から創ったらどうです?」


「それはそうなんだがな、我が社ではサクラや咲のような高IQの子はまだ創れないのだよ。

その方法を今日は君に教授願いたくて出向いて貰ったのだ。」

想像をしていたが、やっぱりだ。

こういうことになるんじゃないかと、危惧した通りだった。

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