ホームパーティー
米国へ帰省すると間もなくベンからホームパーティーへ誘われた。
正装がいいのだろうか?
それとも普段着?
オフィスカジュアル?
ー僕はホームパーティーに行ったことがない!!ー
書店でマナー本を買い、ネットでも調べてみるがどれもこれも買いてあることが違う。
そもそもホームパーティーってバーベキュー?
それともピザパーティー?
改まった料理が出てくるのかな?
それによっても服装違うだろ?
手土産は肉?
ワイン?
お菓子がいいかな?
僕は咲にこの悩みをぶつけた。
「咲、ベンのホームパーティーへは何を着ていけばいいのかな?」
咲は、こなれた感じで答える。
「ベンの家だったら普通の服。
さーちゃんの場合は普段着がオフィスカジュアルだから、もっとラフなやつかな?」
そわそわしながら続けて質問をする。
「手土産は?」
「肉が喜ばれるかもしれないけど、冷蔵庫がいっぱいになると困るしそれを料理するのも大変だろうからワインかな?
今回は婚約がメインだろうから小さな花束もあるといいかもね。」
「何故小さな花束?
婚約がメインなら花束は大きい方がいいだろ?
色とりどりの花束もいいな。
でも一番嬉しいのは100本の薔薇の花束。」
「大きい花束だと花瓶がない場合、困るじゃん。
小さな花束だと短く切ってコップにいけることもできるから。」
しれっと答える咲に僕は納得させられた。
「何故咲は、こんなにホームパーティーに詳しいんだい?」
「ホームパーティーに詳しいわけじゃないけど、相手のことを考えたらわかるよ。」
当たり前みたいに咲が返す。
咲に聞きたいことがまだある。
「食事代はどうしよう?」
「そんなの相手に甘えたらいいだろ?
言われたら払えばいい。
言われることはないだろうけど。」
咲は、何を気にしているのか?と、不思議そうに僕を見る。
ー神が天から舞い降りた!
咲!ありがとう!!ー
僕は早速、美味しいワインを仕入れようと支度をする。
「あのね、ワインは安いやつでいいよ。赤と白と1本ずつ」
咲が先手を打つ。
「安いって、なんで?」
「だってベンじゃん?」
咲が呆れたように言う。
「咲、ベンが嫌いなのか?」
「そうじゃなくてベン、別にワイン好きじゃないから。」
「好きじゃなくても美味しい方がいいんじゃないの?」
「ベンの場合は、ワインなんてホームパーティーにあればいいんだよ。
みんなで開けて飲んで楽しければいいだけ。」
当たり前みたいに咲が返す。
「そうか…。」
早速出掛けようとした僕を咲が呼び止め、
「安いって言っても一番安いディスカウントのやつじゃないよ。
赤白2本で5000円くらいのやつ。
簡単にラッピングはして貰って。」
と釘を刺す。
僕は咲の助言に従い買い物に出掛けた。




