過去
僕は小さい頃から友達が居なかった。
飛び級で周りはいつも年上ばかり。
テストも満点で年上の同級生達からは疎まれていた。
話し掛けても誰も話してくれない。
教科書や靴はいつも汚される。
勉強は余裕だったが、年齢的な体力差もあって体育はついていくので必死だった。
ボールをぶつけられたり、わざと靴を踏まれたこともあった。
精神的に限界だった。
そんな時だった。
僕は見た目がいいお陰で10歳の時年上の同級生のお姉さん達から可愛がられた。
お姉さん達の言いなりになっていれば、学校でいじめられないことを学んだ。
そのうち、お姉さんに言われるがまま身体も差し出すようになった。
好きでもない女とするのは気持ちが悪かった。
だけど、身体は何故か女の身体を欲しがった。
それしかこの世界での処世術がなかった。
今でもそれを続けている。
サクラを見ると涙を流しながら歯を食いしばり鳴き声を上げないよう必死な様子。
怒りで震えているのがわかる。
「ごめん。サクラ。
僕も初めてはサクラがよかったよ。」
なんて言っていいのかわからず、こう言うのが精一杯。
「嘘つき!!!!!
男なんて嫌いだ!!!!!」
サクラは大声をあげ、ついに泣き声を上げながら力なく座り込んだ。
泣きじゃくるサクラ。
余程ショックだったのだろう。
そして、それをずっと我慢していたのだろう。
真っ黒だった髪は、一気に色が抜け、サクラの髪が桜色へと変わった。
こんな変化は僕の予測にない。
この美しい変化に見とれつつも、僕はいたたまれない気持ちでいっぱいになった。
ー僕だって、最初から最後までずっとサクラが良かったー
お姉さん達に無理矢理キスを迫られた。
舐めさせられた。
そして無理矢理ぼくを…。
ー嫌だ!ー
そう思っても過去のプレイがどんどん頭の中に浮かんでくる。
実際、プレイはいつもお姉さん達からのレイプに近かった。
でも、嫌でも湧いてくるコントロール不可能な自分の性的欲求をお姉さん達が解消してくれていたのは事実。
ー僕が悪いんだろうか?ちゃんと断らなかった僕が…。ー
ーでも、お姉さん達の言いなりにならなければ、僕はあのままいじめられていた。ー
ーきっと実験も邪魔されて、サクラに出会うことはなかった。ー
いつの間にか目の前が滲み、サクラの顔がちゃんと見れなくなった。
ポタポタと大粒の涙が床に落ちる。
ー僕は、お姉さん達からレイプされていんだ。それをずっとわからないフリをして、シッポを振り続けていた能無しだ。ー
なにも考えなかった自分に腹が立ち、悔しくて気が狂いそうだ。
ずっと願っていた。
世界一で一番清浄な処女に会いたいと。
そして、その人と恋に落ちたいと。
でも、天才の僕であれば必ず出会える未来の嫁を僕はずっと裏切り続けていた。
その事実で心臓が握りつぶされたように息が苦しくなった。