芸術は爆発だ!
僕は、コピー用紙に設定を書く。
単なる遺伝子の設定だ。
遺伝子配列により、顔や身体の特徴、臓器、そして声に至るまで違ってくる。
そして、IQや基本的性格や好みまでも。
遺伝子配列がIQや基本的性格にどのように関わってるかという研究データは少ないのだが僕にはわかる。
ただしこれは、僕やIQの高く僕が指導をしたサクラや咲だけがわかることで研究データとして世間一般に開示はしていない。
悪用されてコピー人間のような兵器が誕生しては困るからだ。
僕と、サクラや咲違いといえばサクラや咲は、遺伝子データや配列を素早く計測し正しい答えを出すことができる。
そのデータに基づいた遺伝子配列の組み替えであれば、そつなくこなすだろう。
いわば正確な3Dプリンタの役割ができると言うわけだ。
僕の場合は、職人だ。
サクラや咲にIQは劣るが、どの配列だとぷにぷにの太ももでスラリと伸びた足になるのか。
例えばニーハイを履く場合、絶対領域の計測からどの程度の足の長さにしたら萌えるのか。
すべて萌えを基準に数値を出し、その姿を数値に基づき遺伝子をどう配列したらいいのかを判断することができる。
受精卵に与える微弱な振動や音、光などの数値でさえ、どう影響するかを判断し、完璧な萌えをこの世に創世することができるのだ。
創造力と芸術的思考は、2人を上回ってると思う。
別にコピー用紙に設定なんて書かなくても完璧に勘だけでやってのける自信はあるのだが、そこは雰囲気作りというかなんというか…。
設定を練る必要はないが紙に書き出して設定を練っている風にした方が本物の漫画家みたいじゃないか!?
僕は、その遺伝子の設定をもとに漫画を描き始めた。
小さな頃から観察のイラストや解剖図を評価されていた僕は、漫画だって描けるはずだ。
僕の中の何かが弾けた気がした。
「神様、サクラはあの日からおかしいのだ。
神様に無理矢理犯されたあの日から…。」
サクラが顔を赤らめて僕のところへやってくる。
「犯されただと?
キスはしたが…。」
僕はサクラの犯されたという表現にカチンときながらも事実を正確に伝える。
「キスをしたということは、神様はサクラを愛してるということだろう?
それとも遊びだったのか?」
寂しそうなサクラの声。
「遊びではない。」
きっぱりと答えるもサクラは心配そうな表情を浮かべる。
「じゃあ、本気の性欲処理?」
可愛い顔でどきついことを言うサクラに困惑しながらも、
「本気の性欲処理…、矛盾してるぞ。」
と、反論した。
「矛盾していないのだ。
神様が本気で性欲処理をしないといけないくらい溜まっていたということなのだろう?」
「溜まる…、だと。
サクラそんな下品な言葉を何処で覚えたんだ?」
僕は焦りながらサクラを問い詰める。
「それくらいネットに書かれておるのだ。」
「ネットは害悪。フィルタリング機能付けるからな。」
「そんなことはどうでもいいのだ。
サクラは本物のお前のダッチワイフなのか?」
サクラがむくれる。
「違う!
僕は、サクラを正式な嫁にしてやりまくりたいんだ。
あんなことやこんなこと。
サクラが嫌と言って泣き喚くようなエッチなことも。」
「ぅ…、神様…。えっち。
ちょっと…、それは無理だな。」
サクラは困った顔も可愛い。
「だろ?僕は汚れている。
こんな汚れの僕ではサクラを幸せにすることはできないんだ。」
僕のせいでこれ以上サクラを傷つけてはいけないとサクラを拒んだ。




