麗しい桜の君は無敵
私室の窓から、サクラと咲が見える。
どうやらサクラが咲を外に連れ出したようだ。
サクラと咲に人だかりができている。
ー僕が居ないからって調子に乗るなよ。
サクラと咲にちょっかいかけようたって無駄だ。
咲の筋力は僕の2倍!
咲の力でサクラを守れるんだからな。ー
心配しつつも2人を見守る。
いつでもドアを開けて2人を守りに行けるようにと細心の注意をしながら。
と、何か様子が違う。
サクラと咲は、みんなとワイワイ楽しんでいるようだ。
窓を開け、聞こえる限り外の声を聞き取る。
「サクラ、可愛い。」
「咲、カッコいい。」
みんなは2人を褒めちぎる。
僕をいじめていた年上の後輩もサクラと咲にはフレンドリーだ。
ー何故?
僕だけが嫌われていたのか?ー
とてもショックだった。
と、小一時間して、サクラと咲がたくさんの友達を研究室へ連れてきた。
私室にこもってる僕は小窓を開け、こっそり覗く。
「神様、こっちへ来て欲しいのだ。」
サクラの可愛らしい声が僕を呼んだ。
僕はドキドキしながらドアを開ける。
そこには年上の後輩や普段会話もしたことのないやつらが集まっていた。
ペットボトルに入ったジュースやお菓子もある。
「みんなが咲ちゃんの誕生祝いに買ってくれたのだ。
そして、咲ちゃんを創った神様にもお祝いなのだ。」
なにかのドッキリだろうか?
もしもドッキリならサクラや咲が気づいて、みんなをここに近づけないはずだ。
それともそんなドッキリにも気づかないほど2人は純粋なのか!?
天然過ぎるだろ。
2人が騙されてないか様子を確認する。
にこにこしているサクラに黙っている咲、特に騙されている様子はない。
「みんな神様のファンなんだって。」
サクラの満面の笑みは可愛い。
可愛い…、が!!
なにか裏があるような気がしてならない。
ファン…!?
ファンって言ってぼっちだった僕に近づき、結局ヤるのが目的だった女居たなぁ。
僕は過去を思い出していた。
その女は、シャロンと言った。
友達が居なかった僕は、ランチの時も声を掛けてくれたシャロンと一緒だった。
僕はシャロンに特別講義をすると同時にレポートの指導もした。
シャロンの家へも招かれて手料理も振舞って貰った。
アメリカンな味だったが、美味しかった。
食べているとシャロンは僕に近づいてきて下半身を弄ってくる。
僕が抵抗するとシャロンはいきなりキレだし何を言ってるんだかわからない状態になった。
要約すると、誘った女を傷つけるなと言うことをまくし立てるように言っていた。
シャロンは、僕が他の女とヤってることは知っている。
何故自分とはできないのかと泣かれた。
僕は、
「君は僕のファンだろ?
ファンは大切にしたいからできないんだよ。」
と、説明したが、何を言っても通じない状態。
僕が帰ろうとすると、足に縋り付き返してくれない。
シャロンを抱きしめ、
「君がこういうことをするとは思えない。
どうしたの?」
と、必死に聞いたが、ただヤりたいだけだったらしい。
僕はシャロンの隙をつき、靴を履く暇もないまま逃げるように帰った。
そして次の日には、最悪な噂が回っていた。
僕に居場所は無かった。
ーこれは罠だ!!
僕のお祝いなんて誰もするはずがない!ー
僕は猜疑心に苛まれながら、周りを見渡す。
だが、誰からも悪意は感じられなかった。




