麗しい桜の君
咲の成長を促す為、限界値まで振動や音信号の刺激を加える。
強化栄養剤も新しいものを開発し咲に与た。
そして、咲が誕生できる数値になった。
「サクラ、このボタンを押してごらん。」
僕はサクラの手を握り、ボタンへと誘導する。
「人口羊水で満たされた咲を今、サクラの手で解放する!!」
僕は、サクラの手でボタンが押されるのを待った。
「テクノロジーの集結、咲よ!
今ここに!!」
僕は続けたが、まだボタンは押されない。
「神様、また変な演出して、相変わらず痛いのだ。
そういうこと言われるとボタンが押しにくいではないか。」
サクラが冷たい目で僕を見る。
「サクラ、こういうのは演出が肝心なんだよ。」
僕は演出の重要性を熱く語るが、サクラは相変わらず冷たい目でこちらを見ている。
「咲ちゃんも人口羊水の中できっと『寒い』『痛い』『こいついっぺん殴ったろー』って思っているのだ。
咲ちゃんを普通に出してやるのだ。」
そして僕が演出をする間も与えられず、人口羊水が溢れ出した。
「サクラー、まだダメだー!」
僕の声は届かなかった。
「この人口羊水が溢れるシーン、どうにかならぬのか?
どーせ、この演出の為だけにこの仕様ににしたのだろ?」
呆れたようにサクラが言う。
「かっこいいだろ?
ザバーンと人口羊水が溢れ出して、サクラや咲が現れるシーン。」
得意になって説明する。
「恥ずかしいわ!」
「創世主様、相変わらずサクラさんと漫才ですか?
寒い!痛い!こいついっぺん殴ったろー!」
色っぽく艶っぽい声が耳を刺激する。
離れていても咲の色香が漂ってくるのだ。
サクラが女の顔になったのがわかった。
ー計画通り!
いくらサクラや咲のIQが高くても遺伝子配列の分野なら僕はまだひよっこの2人に負けない。ー
僕が創り出したサクラがどうやったら落ちるかなんて計算済みだよ。
自分の自信作の完璧な出来に満足しながら、咲を見る。
ー眩しい!
こ…、これは!!男の僕でも落ちてしまいそうだー
僕は、何度も
僕はゲイじゃない。
僕はゲイじゃない。
僕はゲイじゃない。
と自分に言い聞かせた。
ー僕が元になってる筈なのに、次元を超えてイケメン過ぎるー
正直、コイツになら犯されても文句はないとまで思った。




