サクラ誕生
僕の名前は、紗倉咲良。
IQ350の天才だ。
14歳の頃飛び級で世界一の大学を卒業した俺は、そのまま大学院に残り受精卵からではなく、タンパク質から精子と卵子を作り出し人間を創る実験をしている。
タンパク質の遺伝子を精子や卵子と同じ構造に組み替え、そこに命を宿らせるのだ。
今まで誰も成功したことのない実験。
遺伝子を組み替え、人工的な精子や卵子を創ることには何度も成功したが、そこに魂が宿ったのはサクラただひとり。
受精後3年、僕はサクラを促成保育器で育てた。
促成保育器とは受精卵を必要な栄養で満たし、特殊な音で振動を加え細胞分裂を促す。
促成保育器の中では日中は胎教としてこの世界のことを教える。
幼稚園から僕の卒業した大学までの内容だ。
サクラの遺伝子構造は、僕の遺伝子情報を参考に手を加え理論上IQ800程度になるようにしてある。
きっと全てを把握し、誰もが羨む天才少女に育っているだろう。
若返り遺伝子や成長ホルモンもちょうどいい具合に設定してあるので、サクラは成人するとそこから年を取らない。
外見は申し分なく世界一可愛い。
艶のある長い黒髪、閉じられた瞼の奥の瞳は光が当たると赤や紫になるよう色素を薄くしてある。
真っ白く繊細で雪のような白い肌に、バラ色の艶のある薄い唇。
Gカップはあるだろう張りのある丸い胸に、細く華奢な65cm程度のアンダーバスト。
引き締まりくびれた腰に、長い手足。
まさに僕の計算通り。
まるで生きたフィギュアのよう。
そして受精後3年、外見年齢16歳に成長させたサクラを今日、人工保育器から解放する。
「世界で一番清浄な処女をーーー!!!!」
僕は、促成保育器の解除ボタンに手を掛けた。