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93 野球 VS ベースボール その1

※以前の話を確認するのがめんどくさい人のための登場人物紹介


石川瀬利亜 : 三年雪組生徒でモンスターバスター。光一の奥様。一人ノリツッコミが特技のスーパーヒロインでもある。


錦織光一 : 三年雪組担任の関西弁をあやつるイケメン教師。瀬利亜はんの旦那。サイバーヒーロー、電脳マジシャンとして活躍。技術者としても一流。瀬利亜はんを溺愛している。


伊集院聡(いじゅういんさとし) : 三年雪組生徒で伊集院グループの次期総帥。思い込みの激しすぎる優等生でイケメン。異世界召喚勇者。


三條院楓(さんじょういんかえで)(カエデ・エターナル): 伊集院聡の婚約者で、旧華族。実は地底王国の姫でもある。ツンデレで聡をいじるのが大好き。


マリーザ・アルバネーゼ  アメリカ最強のスーパーヒロイン、ライトニングレディ。戦闘時にはクールビューティーになる…らしい。




 「ニューヨークへ行きたいか?!!!!」

 「「「「「おーーーー!!!!!!!」」」」」

 先日マリーザとの約束で、スーパーヒーロー&モンスタ―バスター日本選抜チームを作ってアメリカ選抜チームと対決することが決まりました。

 現在、鋭意メンバーを集めているのですが……『有能な人ほど忙しい』という現実の前にメンバー集めに苦心しております。


 「で、わては監督をすればいいわけやね。」

 光ちゃんは運動神経は『常人と比べれば』すごくいいのですが、モンスターバスター最高メンバー一二星クラスと野球をやるにはさすがに無理なのです。

 ここは冷静な判断力を生かして監督として頑張ってもらいましょう。


 「また、マリーザさんと野球ができるのが楽しみですね♪」

 「わーい、私も楽しみです♪」

 望海ちゃんとちーちゃんは当然参加です。ちーちゃんは不動のキャッチャー、望海ちゃんはどこでも務まる器用さがウリです。

 オールスター戦でも大活躍してくれるでしょう。


 「おもしろそうだにゃ♪こう見えても未来のベーブルースと言われたにゃ♪」

 「奇跡の超人、ミラクルファイター!戦いあるところに即参上!!」

 運動神経はかなりいいトラミちゃんですが…言っていることがおかしいぞ!!若干(かなり?)常識がないのが不安材料です。

 私と光ちゃんの武術の師匠でもある、齊藤警部は実力的には大丈夫だと思います。

 …ですが、本職の警察のお仕事は大丈夫なのでしょうか?


 「日輪の使者!烈光仮面!!憎まず、殺さず、赦しましょう!!」

 「あくまでも華麗に!そして軽やかに!!キャプテンゴージャス見参!!」

……ええと…どうして、風流院高校・校長の祝十兵衛(いわいじゅうべえ)さんと、理事長の小早川充さんがおられるのでしょうか?

 お二人には光ちゃん以上に『野球の技能が期待できない』ことから声を掛けなかったはずなのですが…。


 「自分からこう言うのはなんなのだが、本当に我々でいいのか?」

 「烈火の勇者の伊集院君はまだしも、僕は無理でしょ?!!!」

 伊集院君と橋本君が周りのメンツを見て、困った顔をしています。


 「大丈夫!二人とも校長よりはましだから!!」

 「…校長って…もしかして…。」

「ええ、烈光仮面のおじさんよ。三〇年前に活躍した本物だから♪」

 「そうなのか…。小早川理事長がキャプテンゴージャスなのは知っていたけど…。」

 トラミちゃんたちと談笑している校長を見ながら伊集院君がため息をつく。


 「瀬利亜はん、いくらなんでもこのメンツはやばくあらへん?」

 光ちゃんと私は顔を見合わせる。

 そうなのだ、数日前にマリーザからメールが届いて、アメリカ側のメンバーを教えてもらったのだ。

 いやあ、すごいメンバーです!!

 マリーザを始め、モンスターバスター一二星並の能力を持つアメリカ三銃士以外にも『無敵の筋肉』兜鋼児こと『宇宙からの超人』マルクや美少年が大好きな困ったお兄さんのカイザスさんという一二星メンバーが参加されてます。

 その他の五人も一二星に近いクラスの実力派メンバーばかりです。


 「うーん…忍者軍団のみなはんと巧さんが都合が合われへんかったんが、大きいんよね…。」

 光ちゃんのコメントのように一二星並、あるいはそれに準じる実力がある上に参加に前向きで野球にも詳しかった、忍者や巧さんがお仕事などでご都合を断念されたのが大きな誤算でした。

 特に巧さんは『奥さまのアルさんの重要な仕事のサポート』へ行かれてお二人ともしばらく戻ってこられないのです。


 「あまりメンバーの実力差がありすぎても試合が一方的になりかねないのよね…。

 こうなったら、マリーザに頼んで助っ人を紹介してもらうしかないかも?!!」

 「石川!!言っていることがおかしいよ?!!

 マリーザさんは『最強のスーパーヒーロー(ヒロイン)の一人』で、シードラゴンマスクの最大のライバルなんでしょ?!!助っ人を紹介してくれるとか考えられないんだけど…。」

 私の提言に橋本君がツッコミを入れる。


 「ええと、実力や『スーパーヒーロー協会の建前』上はそういうことになってますが、実際はマリーザさんご本人は瀬利亜さんをライバル視されているわけではないんです。

 それは瀬利亜さんもご同様なんですが。」

 「いうか、マリーザはんはわてらの『同志』で、わてやアルテアはん、遥はんと一緒に『SDシードラゴンマスクのぬいぐるみ談義』や、『瀬利亜はんの魅力について』のトークをすごく喜んでしてはるで♪」

 光ちゃん、何を言ってるんですか?!!そんな話は初耳です!!!


 「えええ?!!だって、『スーパーヒロイン・ライトニングレディ』は知的でクールなスーパーヒロインとして有名でしょ?!!」

 「橋本はん、それはあくまで『キャラ作り』の結果なんや♪ご本人は素の状態の時はゆるくてかわいいお嬢さんやで♪」

 光ちゃんの言葉に橋本君と伊集院君がショックを受けている。

 ちなみに普段のマリーザは癒し系の可愛らしい女の子なのは本当だけれど、スーパーヒロインとして活動するときは『クールビューティー系』に結果的になっているだけで、別にキャラ作りをしているわけではないのですが…。


 結局話し合いの末、『日米・スーパーヒーロー対決』なので、マリーザからアメリカの助っ人を紹介してもらうのは筋が違う…という結論に達し、日本国内でなんとかメンバーを探すことになりました。





 「ということで、これからいよいよニューヨークにて『日米・スーパーヒーロー野球対決』に向かいます!!我々の底力をみせようではないですか!!!!」

 「「「「「「おーーーー!!!!」」」」」」


 先日、草野球に参加してくれたメンツを観客として招待し、石川邸に設置したゲートを転移先をニューヨークの特製球場に設定してみんなが一人ずつ、くぐっていく。

 ゲートの位相調整は『大魔女リディアの弟子』の遥ちゃんと望海ちゃんがやってくれた。

 望海ちゃんが効果音と共に『どこで◎ドア♪』と言いながら、扉を開けた時は一同爆笑でした♪



 「へえ、今回のメンバーはスーパーヒーローオリンピックで見なかったメンバーが何人も入っているね。これはどんな試合になるか楽しみだ♪」

 メンバーを見たマリーザが嬉しそうに言ってくれる。

 メンバーの内実を知っている私としては冷や汗ものなのですが、マリーザは本心から楽しみにしてくれているので、さらに気まずく感じます。


 「こちらのお二人はオーラからしても只者ではなさそうだね。紹介してもらえるかい?」

 「ええ♪こちらの真紅の騎士風のお兄さんが『ファイアー勇者(ブレイブ)で、こちらの神秘的な女性が『アンダーグラウンドプリンセス』だわ♪そしてこちらの若干コミカルな風体のお兄さんが『道化(クラウン)勇者(ブレイブ)よ。いざという時の『ツッコミ(りょく)』は大したものなのよ!』

 真紅の騎士風の伊集院君と、エキセントリックな巫女風の楓さんと、ピエロをかっこよくした雰囲気の橋本君を紹介する。

 マリーザは三人を見て嬉しそうにほほ笑んでいるが、紹介された三人からは後からクレームが来そうな感じです。


 何しろ、日米スーパーヒーロー野球対決なので、全員がスーパーヒーローやスーパーヒロインの扮装をしているのです。

  正確には伊集院君、楓さん、橋本君の三人以外は全員本物のスーパーヒーローです。

 …そうだ!!この三人もスーパーヒーロー活動をしてもらって、現在の『日本スーパーヒーロー同好会』を『スーパーヒーロー協会』に格上げしてもらうことにしよう!!

 うん、そうしよう!!


 とか思っていると、ネイティブアメリカン風の長身のヒーローが私に近寄ってきます。

 アメリカ三銃士の一人で、マリーザに『深い瞑想法』や様々なシャーマンの秘術を教えたという『幻のヒーロー・グレートホーク』ことケツアルコアトルさんです。

 「…このメンバーで本当に大丈夫なのかい?」

 私の耳元で心配そうに囁いてくれます。

 さすがは『アメリカ随一の透視能力者』です。

 ちーちゃん、望海ちゃん、齊藤警部以外が『寄せ集め』だと透視で見ぬかれたようです。

 しかし、アメリカのメンバーも観客の皆さんも必死で日程を調整されたのです。

 いまさら延期とかするわけにはいきません。


 「…大丈夫です!ピンチはチャンス!!逆境は人間を大きく成長させるのです。

 私たち日本人の『大和魂』から来る底力をご覧ください♪」

 私が内心で冷や汗をかきながら、表面上は自信たっぷりに言い切るのをケツアルコアトルさんは何とか納得されたようです。


 「…なあ、石川…。相手のメンバーって、アメリカスーパーヒーロー協会のホームページに載っている超一流のスーパーヒーローたちに見えるんだが…。」

 「さすがは橋本君、ツッコミ王だけあって、よく調べたわね♪

 アメリカのスーパーヒーローで構成されるメンバーとしては野球に関しても、事件解決に関しても第一級のメンバーばかりだわ!

 そんなメンバーと試合ができるなんてとっても光栄だと思わない?」

 私がニコニコして答えると、橋本君はもちろん、伊集院君と楓さんの顔色が真っ青になった。

 ううむ、もう少しオブラートにくるんで説明した方がよかったでしょうか?

 とはいえ、試合を始めたらこのメンツなら実態がすぐわかるだろうからごまかしても仕方ないのだよね。

 …というか、この三人より明らかにヤバイ校長と充さんが自信満々にしていることの方がよほどまずいのですが…。


 不安は山ほどありますが、とりあえず試合開始とあいなりました。



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