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54 あるモンスターバスターの日記  (なぜか人生相談その2)

◎月X日 S.Kさん「モンバスお姉さん、先日は適切な助言を頂いて、本当にありがとうございます。

 おかげでいまは彼氏とラブラブになっています♪

 ところで、まだ、彼氏から『お誘い』がないのですが、まだ私の魅力がたりないのでしょうか?」


モンバス姉さん「質問が生々しすぎます!!『受験勉強中』だから、遠慮してるんじゃ……おっとっと、プライバシーに踏み込むところでした!ごめんね春日…ゲフンゲフン!」


 「そんなわけでまたまた好評の人生相談です。

 コメンテーターのアルさん、光ちゃん、またよろしくお願いします!」

 「前回ので慣れたので、今度はもう少し上手に魔法も使えると思います。」

 「同じく、質問に対する検索もばっちりや♪」

 二人ともやる気満々でありがたいことです。

 さあ、今度はどんな相談が来るでしょうか?


 「◎◎県のS.Iはんからの質問や。ほほお、この人うちの県やね♪

 『モンバスお姉さんに質問です。彼氏が私の【リアルタイプのフィギュア】をいくつも作ったり、買ったりしています。この場合は純粋に【愛されている】と安心していいのでしょうか?それとも、その【性癖】を修正してもらえるようそれとなく伝えた方がいいのでしょうか?

 ……どっかで聞いたようなシチュエーションやね……。」

 光ちゃんの顔が少しひきつっています。……えーと、まさかちょっと気になったから『外部のパソコンからメール』したのが偶然選ばれるとはびっくりです。

 ちなみにアルさんはニコニコしながら私たちを相互に見ています。

 うん、状況をわかっていて反応を楽しんでおられますね。


 「……えーとやね……まずは、旦那…もとい、彼氏はんの日頃の他の言動が大丈夫かどうかを見はったらええと思うんや。

 その部分で健全に彼女はんを愛しておられはったら『ちょっと変わった趣味』も大目に見られても大丈夫思うんや。

 あと、『わての経験』からなんやけど、『愛情が行き過ぎて周りが見えんようになる』ことも人によってはあるみたいなんや。

 相手が好きすぎて『プレイ専用のエプロン』をついついいくつも買うてしもうて、後で後悔するとか…。」

 ちょっとだけ困ったカミングアウトがありました…。今晩あたり、寝室でエプロンが出てきたりするのでしょうか?


 「まあ、一番肝心なんは彼氏はんが『心の底から大切に思うてくれてはるかどうか』やないかと思うんや。不安なら『鑑定能力』のありはる人に見てもらう言うんも手やね。」

 冷や汗をだらだらかきながら光ちゃんが答えてくれます。

 いえ、あなたの基本的な人間性や深い愛情はこれっぽっちも疑ってはいません。

 ただ、『変な趣味』をあまり放置しすぎて大丈夫なのかどうかがちょっとだけ心配になっただけです。


 「あら?気になるんだったら『鑑定』しようか?もっとも、最初に二人を正式に鑑定して以降は二人とも相手に対する愛情は上がる一方なんだけど♪」

 「アルテアはん。これはあくまでS.Iはんからのメールの質問やから。」

 「そうそう、あくまでS.Iさんの状況を考えてあげるだけだから。

 おそらくだけど、S.Iさんは彼氏の人間性や愛情は全然疑っていないと思うの。

 ただ、『ちょっと変わった趣味』を放置したら『どこまで行かれるのか不安』を感じられる部分があったんじゃないかと思うんです。……あくまで、推測ですが。」

 おおっ!私の答えに光ちゃんが明らかに安心した表情を見せてくれました。


 「あら、そんなのぐじぐじ考えるなんて瀬利……S.Iさんらしくない…ような気がするわ。

 万が一暴走しかけたらその時『ハリセンではたいてでも暴走を止めればいい』のよ♪

 簡単でしょ♪」

 「なるほど、ちょっと変わった趣味以外はものすごくまともで、愛情深いのだから、気にする必要はない…と。そして、万が一の時は『ハリセンで暴走阻止すればいい』わけですね。

 では、その旨S.Iさんにメッセしておきますね♪」

 こうして、最初の質問は無事に解決しました。


 え、『ハリセンではたくときはあまり痛くしないようにお願いや』ですか?

 いえいえ、はたかれることを前提にしないでください!


 「じゃあ、次は私が読むね。

 ええと、◎◎県のK.Nさんからの質問です。あら、またうちの県の人だわ。

 『まだ高校生の女性と結婚したばかりです。二人とも子供が大好きなのですが、さすがに【在学中に妊娠】したらまずいでしょうか?

 ちなみに私は社会人で、彼女は現在高校三年生です。』

 まあ、『どこかで聞いたようなシチュエーション』だわね♪」

 アルさんが意味ありげに笑ってます。

 ……今度は光ちゃんですか…。

 光ちゃんがまたもや冷や汗をだらだらかいています。


 「普通なら高校生が妊娠するのはお奨めはしないのよね。子育てと高校生活の両立はものすごく大変だから。

 どうしても両立させたいなら『定時制に替わる』ことを普通ならお奨めするところです。

 ただ、K.Nさんの奥さんの場合は……。」

 おおっと、言いながらアルさんが『透視能力』で未来予測のビジョンを見ているようです。


 「…結論から言えば、K.Nさんの奥さんの場合は高校在学中に妊娠しても高校と子育てと仕事を全部うまくやりくりできそうだわ。

 奥さんはちゃんと赤ちゃんを『学校におんぶして』行って、仕事にもしばしば『おんぶして』行って、『子供の実地訓練』も兼ねた素晴らしい母親ぶりを示してくれるみたいよ♪」

 「はい!!ぜひ奥様には『卒業後に妊娠』をお奨めします!!」

 ニコニコしているアルさんに私が力強く返事をします。


 「…わてもそれがええ思います。」

 光ちゃんも納得してくれたようです。

 

「じゃあ、似たような状況の光一君には私が生成した『魔法のピル』を渡しておきますから、忘れずに服用してもらってね。あら、瀬利亜ちゃんに渡した方がいいかしら♪」

 ええと、この件も解決したようです。



 「ほんじゃ、気を取り直して、次の人や。

 ◎◎県のF博士からの質問や。ほほお、またうちの県の人やね♪

 『わしはわしを追放した学会に復讐したいんじゃが、どうしたらいいでしょうか?』

 ……。」

 ドクターフランケンだよ!!あなた、なにを考えてここにこんなメールを送ったんですか?!!光ちゃんが完全に固まってしまってるよ!!


 「では、お答えします。」

 えええええ??!!!アルさんが『直観での情報収集モード』に入っているよ?!!


 「まず、復讐などと言う不毛なことはやめましょう。あなたは時代の先を行きすぎたのです。先駆者がなかなか理解されないのは残念ながら世間ではよくある話です。

 それよりも、あなたのかなえたかったけれどあきらめてしまった強い願いをかなえることを考えられた方がいいでしょう。

 幸い今のあなたは『暴走しすぎた過去の自分』への自覚を以前よりもずっとお持ちです。

 今以上にご自身を冷静に見つめることができるようになれば『素敵な彼女』ができて、結婚することも夢ではありません。」

 なんですってーー??!!!!ドクター。恋愛にあこがれてたんですか??!!!


 「今のあなたは『工学技術』に関しては世界でもトップレベルの人材です。それを皆様の役に立つように活用されようとすれば、人間的な魅力があなた自身から溢れてくるようになります。

 その状態でもう少しおしゃれにも気を遣われれば、見る目のある女性があなたに関心を寄せてくれるようになるでしょう。

 玄関に花を飾ったり、金色のものを置くと運勢も上がります。

 ラッキーナンバーは八、ラッキーカラーは情熱の赤です。

 ラッキーワードは『巨大ロボット開発』です。

 さあ、素敵な未来を目指して頑張って♪」

 いやいや、終わりの方がおかしいです!!雑誌に載っている占いじゃないんだから!

 ラッキーワードが巨大ロボット開発も変です!!悪い予感しかしないのですが?!!


 「最初の二つはプライベートにかかわるからブログに載せるとまずいよね。

 じゃあ、このF博士への質問と回答を載せればいいんじゃない♪」

 「いえいえ、このブログを読んでいる人たちにとっては『ドクターフランケンとまるわかり』になりますから!!何度もドクターのことはブログに書いているからね!」


 「じゃあ、仕方ないから最初と二番目の質問で…。」

 「それも私たちの事情を知っている人達にはもろバレになるから!勘弁してください!」



◎月△日 S.Kさん「モンバスお姉さん、先日は適切な助言を頂いて、本当にありがとうございます。

 おかげでいまは彼氏とラブラブになっています♪

 ところで、まだ、彼氏から『お誘い』がないのですが、まだ私の魅力がたりないのでしょうか?」


ねえさん「モンバスの神のお告げによると、彼氏が真面目すぎて、『受験勉強中に誘うのは不謹慎』だと考えておられるようです。

 実は家に戻るとあなたの写真を見ながら……いえ、何でもありません。

 彼氏はあなたのことはものすごく大好きなので、受験が終われば今のあなたの心配は杞憂だとわかるでしょう。」


 ここまで書いたとことで、光ちゃんがストップを掛けました。

 「『写真を見ながら』はやめてあげて!!わても婚約してからクリスマスに『ゴール』するまでは瀬利亜はんの写真を見ながら……いえ、何でもあらへん!!」

 …言いながら光ちゃんが顔を青くします。

 大丈夫です。『若い男性の生理や習慣』はわかってますから、全然大丈夫です。

 ただ、それを口に出すと、かえって『傷をえぐる』ような気がするので、光ちゃんの発言に気付かなかった振りをしておきます。


 「そうかあ、クリスマスまでは光一君も大変だったのね♪

 よく我慢できたわよね。それくらい瀬利亜ちゃんのことが大切で、大好きなのよね♪」

 明らかにわかってらっしゃるアルさんの発言に私たちは顔を見合わせて赤くなりました。



◎月△日 S.Kさん「モンバスお姉さん、(中略)まだ私の魅力がたりないのでしょうか?」


ねえさん「モンバスの神のお告げによると、彼氏が真面目すぎて、『受験勉強中に誘うのは不謹慎』だと考えておられるようです。

 彼氏はあなたのことはものすごく大好きなので、受験が終われば今のあなたの心配は杞憂だとわかるでしょう。

 玄関に花を飾ったり、金色のものを置くと運勢も上がります。

 ラッキーナンバーは八、ラッキーカラーは情熱の赤です。

 ラッキーワードは『異世界勇者召喚』です。

 さあ、お二人の素敵な未来を目指して頑張って♪」



 人生相談のメールが激増する羽目になりました。なんてこったい!!


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