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異世界突撃部隊 ゼロゼロワンワン  作者: 拝 印篭
第一章【大森林】風来無宿 
5/42

5.わぴ!

 早速のブックマーク、ありがとうございます。

「あの~? もしもし、きこえますか~? 大丈夫~?」 


 メロンがひょこっ、と心配したのか、俺の顔を覗きに顔を近づけた。近い、近いっ!


 我に返った俺が


「わぴ!」


 と仰け反った様を見て何やらツボにはまったらしく、コロコロと笑い出した。


「なんやの? わぴ! って、わぴ! ぷすー クスクス♡ 案外面白いお人やね~」


 そんな風にかわいく笑いながら俺の腕に密着してきた。おぱーいが当たってますよー!


「いや、ちょっと考え事を……」


 俺が過去を思い出していた間にここまで接近されていたとは、しかし、この娘俺なんかにここまで無防備に密着してくるとか、奔放といえば聞こえがいいが、ちょっとおつむがゆーゆるなんだろうか?

 

「ところで、ノーラさんはどうしてこんな所に? 首都の人かしら? それとも、旅の人? それにしてもたった一人だけでどうやってこんな森の奥まで来れたんやろか?」


 ノーラさん? 

 うーん、どう話を持って行けば情報が貰えるかなぁ?

 こういった時の定番としては、大抵記憶喪失を装ったりしているよなぁ。ちょっとやってみるか?


「じ、実は俺、記憶喪失で、名前くらいしか覚えていないんだよねー。持ち物も、こんなバッグ一つでびみょーにしょぼいし、身分証なんかも無いんものだからさぁ。人里に行くってのも不安なんだよなぁ。(当たり前だけど)首都の記憶とか多分全く記憶に全く無いから、首都から来たんじゃないと思うけど」


「記憶喪失!? 大変やん! もしかして、事故? 事件? そうや! 国民の保護も軍人の使命やし、とりあえずうちと一緒にいればええよ!」


 信じちゃったよ。チョロイな。しかも、同行OKだって。これで人里に行かれれば、次の展開も期待できるかな? 


 定番なら、冒険者ギルドに登録して、チート人生スタートって所だろうか?


「で、出来れば冒険者ギルドに登録したいんだけど、首都まで行けば入れるかなぁ?」


「? ぼうけんしゃギルドって?」


「え?」


「え?」


「「……」」


 冒険者ギルドが通じてないのか? やっべー! この世界には無いのか?


「ギルドに入るには大抵どこでも10年位は実務経験が無いと門前払いやよ! その、冒険者ギルドってのは聞いたこと無いけど、多分今日行ってすぐ入れるようなものじゃ無いと思うんからね」


 少なくとも、俺の知ってる冒険者ギルドみたいなものは無いんだろうな。困った!

 異世界チーレムもののスタートかと思いきや、その根幹を成す設定が不発とか。責任者でてこ~い!

 これじゃ、ギルドの受付嬢とのロマンスも、冒険者にするという名目での奴隷購入も、下手すると姫騎士も、ぜ~んぶありえへん世界って事になりかねないんじゃなかろうか? いや、それ以前に身分保障すら簡単にはできないんじゃないか?


「じゃあ、俺みたいに身分保障も何も無いのはどこにも所属出来ないのかな?」


「え~と、そういう場合、首都の城門の前で仮入場の手続きが必要になるんやよ。で、市民権を得るには、一年以内にいっぱい納税するか、税金が支払えない人は、特殊な技能をも持ってる事を事前登録しておくか、それも無ければ軍に志願して、最低二年従軍するかすれば、市民権をもらえるんやよ。具体的には、給料から天引きされる税金が二年分で市民権を取得できるらしいで。知り合いの子が言うておった」


 えー!? 軍隊ぃー? 日本生まれなめんなよ! 絶対そんな環境で生きて行く自信ないわっ!

 ん? そーすると、この娘も市民権貰うために従軍してるのか?


「すると、メロン君も、市民権のために従軍してる訳か?」


「……メロンくん? んーん、そういう訳やないの。うちは二番目の枠やね。特殊技能持ちとして、志願して軍に入ったんやよ。元々首都の生まれやから、市民権自体は持ってるしね~」


「特殊技能? どんな?」


「それは、ひ・み・ちゅ! この春16になった時に双子の妹と一緒に従軍したの。そんで最初の野外訓練の最中に小隊が迷子になったもので探していたってわけやよ」


「……それは、君が迷子になったというんじゃ?」


「! え~っ!? そんなわけないんやよ!」


 そういって否定してるけど、目が泳いでるぞ!?


 ともあれ、この頼りないおにゃのこに保護された俺は、彼女と一緒に行動することとなった。

 美人とお近づきになれたのは僥倖であったが、そもそも、無事に異世界社会デビューできるんであろうか? 明らかに装備も情報も伝手も不足している中、現状食べ物だけは手当できそうなのが、唯一の救いだろうかねぇ。


「それじゃ しゅっぱ~つ!」


 元気な声で俺の手を引いて出発したおぱーい美少女と俺の


 明日はどっちだ!?

 


※わぴ!


 星里もちる氏の初期の作品において、驚愕の表現として使用されていたのが初出。

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