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異世界突撃部隊 ゼロゼロワンワン  作者: 拝 印篭
第三章 【下街出張所】 准尉
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41. 恐怖の人間爆弾!

「駄目よ~♡ 駄目駄目♡ 今は、まだまだやることが満載で、うちの部隊の人数ではノーラちゃんの穴は埋められないわよ~♡ あらやだ。『穴埋め』だなんて♡」


 と、ロジャヲ大尉に勤務時間後に0011部隊に顔を出す許可を貰おうとしたのだが、あっさりと却下されてしまった。


「それに、ノーラちゃんは未だ大事な事に決着を付けていないでしょ? それで一人前の軍人面するのは10年早いわよ♡」


 ? 何の話だろうか? いずれにしても、昨日の無断外出こそ大目に見て貰えたものの、ここで外出却下されては、「ダイアポロン計画」に支障が出てしまう。


「そこをなんとか。美人のロジャヲ大尉」


「! くっ! ころせっ」


 何故にくっころ?


「ひとまず、大事な話は出来たんでしょ? 後は任せて大丈夫じゃないの?」


 あれ? 俺、その辺の話はここではしてない筈なんだけどな。


「ふふん。蛇の道は蛇よ。それよりもこれから例のテロも本番に向けてより凶悪化しそうだからね。女の子を人知れず守るナイトってのも男気を感じてカッコいいものよ」


 ああ、そう言えばこの件の決着は、彼女らの傍よりもこっちの方が付けやすいのかな?


「ともかく、今週末の警備の仕事をしっかりやる為にもノーラちゃんにはこっちに詰めてもらわないといけないのよ。これはわたしの勘なんだけどね、あのテロ、今週末にも新展開があると思うわよ♡」


「そうなのでありますか?」


 何気に重要な情報ぶっこんで来るからな。この上司(おかま)。


「猿、いえ、さるルートからの情報なんだけど、あの日の事件は実際は只の事故だったらしいのよ。本番はどうやら注目度の高い日に一斉に爆破というのがどうも犯人の狙いらしいわね。と、なれば狙われる可能性として一番高いのは?」


「それは、やっぱり再来週の軍事パレード?」


「勿論、あそこは0001親衛隊をはじめ、エリート部隊が警備してるから、そう簡単にはいかないでしょうけどね。ただ、隊列は長いし、下手に分断されると彼らでも守り切れない場合も出てくると思うのよ。そして、そういう所を狙う連中にとって格好の標的が今なら一つ思い浮かぶわね♡」


「メロンたちとマグダラン……」


「だけど、最初からあっちのパレードに標的を定めても、警備自体は厳しいから、何らかのイレギュラーを装って攻撃を仕掛けると思うのよね。さて、ここで問題よん♡ この日、もう一つ注目度の少ないイベントがあるわよね。テロリストが利用しようとするならどこのイベントでしょうか? よーく考えてねん♡」


「それは、勿論、このデモ……やっぱり、このデモを主宰した右翼団体って!?」


「半分は外れね。右翼団体自体は人畜無害なインテリさんの趣味でやってるようなものだし、主催者はもう今年96歳で自力歩行も出来ないお年寄りよ。今回も参加は見込めないわねん」


「じゃあ、一体?」


「正解は、このデモに資金援助をしている団体ね。いくつものダミー会社から資金が流入しているようね」


「! もしかして、サカモト画伯を雇った会社?」


「あら、耳が早いのねん。どうやら、そこを含めた複数の企業が怪しいのよね。昨日から内偵が入ってるんだけど、オーナーも違うし、共通点はと言えば、同じ病院が定期健診を受注してるって位で共通点が無いのよねぇ」


 そこまで聞いた所で天啓がひらめいた。もしや、とは思うが……


「大尉!」


「! なによ? 急に大声出して!」


「確か、爆発の現場に例えば時限発火装置だとか、爆発物を固定する物とか、あからさまに爆弾だと判るような品物は発見されてないんですよね?」


「ええ、そうよ。鑑識の意見では、まるで人体そのものが爆発したような、って、ま、まさか!?」


「そのまさかじゃないかと思います。爆発したのは爆弾ではなく、人間そのもの。自爆テロだとしても、本人の意思完全無視で爆発させる計画では?」


「だとすると、そんなバカな手術を受け入れるのは、自分で判断のつかない障害者だから?」


 それが本当だとすると、これほど胸糞悪い話も無いな。それに、もしやと思うがタロー画伯も調べないといけないかも知れないし。


「先ずは、その医療機関を調べるのがいいんじゃないでしょうか? 証拠が出てくるようなら、完全に黒でしょうし。いや、先にタロー画伯の検査をした方がいいかも」


「判ったわ。ノーラちゃんは、何か理由を付けて画伯の身柄を確保してちょうだい。キシュウも連れてっていいわよ。元軍医総監のキタグチ女医の医院を紹介するから、そこへ連れてってもしも検査をして、黒だったら安全第一で対処してあげてね」


「了解。命令を受諾しました」




◇◆◇◆



 その後、直ぐにタロー画伯の身柄を押さえ、件のキタグチ女史の医院に担ぎ込んだが、結局の所、彼は白だった。


「当然です。彼の雇い主は、彼の絵が欲しいんですから、命を取るような真似は流石にしないでしょう」


 いや、冷静になればキシュウの言う通りなんだよな。今一振り上げた拳の置き所に困ったようなビミョーな顔をしていると、彼の母親は、それでも息子の事を気遣ってくれた事が嬉しいのか、かえって俺を慰めるような事を言ってくれた。まぁ、余計に切ない気持ちになった事は胸の奥にしまい込んで、一つ聞いてみた。


「彼の同僚なんかで何か不調があったとか、過剰に医療を受けていたとか、そういった話は聞いた事ありませんか?」


「そういえば、月に一度は検診を勧められていたり、その中で手術を勧められる人が多かったような気がしますね。ただ、うちと同じで全く健康な人とは違う訳ですからそういうものかなと思っていましたが」


 どうも、やっぱりきな臭い気がする。


 ジリリリリリリリリリリ


「ノーラ准尉、ロジャヲ大尉よりお電話が入っていますが」


 看護婦さんからのお呼びに受け答え、受話器を取る。


「はい、ノーラです。はい、サカモト画伯は無事白と判定されました。え? 何ですって?」


『だから~ 彼らの会社の医療機関へ派遣した人達の報告よん。どうも、医療機関自体もダミーだったみたいで、踏み込んだ時にはもぬけの殻だったらしいのよ。ただ、そんな場所にしては医療機器が多数放置されていて、不自然に人の出入りがあったらしいのよね。とりま、ダミー企業に在籍記録のある人をリストアップして検査に協力して貰おうと奔走しているのよ。そこにサカモト未亡人がいらしたら、知り合いだけでもいいからリストアップして貰ってちょうだい♡』


「了解しました。直ちに伺ってみます」


 と、言う訳で電話を借りた礼を告げると、とって返してお母さんに話を聞く。


「かくかくしかじかで、とりあえず、知っている人だけでもいいので連絡先を教えて貰えませんか?」


「わかりました。仲良くしている人といっても、そう多くはありませんが、幾人かはお教えできると思います」


 とりあえず、知り合いの人を聞きだし、直接訪ねていくしかないな。


 それにしても、こんな面倒なテロ行為やって、誰得なんだよ!

※電話


 王都における有線電話の普及率は約5%程。軍や役所関連の他は、未だ富裕層の一部や病院など位しか普及していません。電話代自体もまだ高く、月に30分程度の通話でも1ダイナーが吹っ飛ぶ位の電話代がかかります。

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