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異世界突撃部隊 ゼロゼロワンワン  作者: 拝 印篭
第二章【ブエナビスタ】二等兵
27/42

27. メロンのきもち!

 お待たせしました。再開します。

「どういうことですか? ブルーノおじさまっ!」


 うちは、ノーラさんの辞令の事を聞いて矢も盾もたまらず、ブルーノおじさまの所にやってきた。ほんと、どうしていいやら? 訳も判らないまま、とりあえず、連隊長の説明が聞きたかったんや。


「これこれ、メロン嬢。もう少し落ち着きなさい。彼の事なら、昨日帰りがけに寄って行った君の父君のご判断だよ」


「! お父様の? 一体どうしてですの?」


「彼と一晩一緒に過ごしてみて、こう思ったそうだ。『彼、基本的な軍隊内での生活の知識も無いようだね。何も考えずに娘と一緒に居られると勘違いしてるみたいだ。ここは、先達として軍という組織の残酷さを教えてあげた方がいいね。うひひ』とね。第一、基本的な知識も持たせずに実戦配備させられる訳が無いのは、君も良く知っているはずじゃなかったのかね?」


「う。 そっ、それは……」


「まあ、三か月の辛抱だよ。三か月無事に務めを果たせば今度こそ本当に君達と同じ小隊に配属させよう」


「ほんとですか? ありがとうございます!」


(まぁ、促成栽培の分、地獄の苦しみを味わうことになるけどね。それで軍に嫌気が刺さなければいいのだがねぇ)


 地の文が何やら恐ろしい台詞を拾ってしまっている。まぁ、だからって別の人の命をかける訳にもいかないんやし、うちの選んだノーラさんなら絶対大丈夫な筈やから。


 そこまで考えて我に返りぽっ♡ と顔が熱くなる。


(うちの……選んだ……ノーラさん♡)


「生まれて初めて出来た大切なお人なんです。お父様もきっとそれを知ってくれてはるから選んでくれた進路なんやと思っています」


「そう、思ってくれると嬉しい。ところで、君達自身の辞令なのだがね、予定通り、今朝発行された」


 そうおっしゃった連隊長殿は、襟を正して敬礼すると、こうおっしゃった。


「メロン=ミリス、本日11:00を以って特別任務の任を解き二階級特進、伍長とする。また、0011分隊全隊員も共に特別任務の任を解きそれぞれ一階級昇進するものとする。以上、各自に辞令交付する」


「拝命しました」


「この後も予定通り。三か月後に行われる軍事パレードに向けて訓練を行ってくれたまえ。そこで、君達は事前に昇進してもらい、全員が曽となった時点で本格的に0011分隊は正式に発足する運びである」


「連隊長。自分がその、隊長として隊を引っ張る役目を果たせるとも思われへんのですけど」


「まぁ、ノーラ君の事もそれに対する保険の意味合いもある。まさか本当に【神喚者】と接触できるとは思わなかったしな。だが、彼が君よりも目立つ活躍をしてくれなければ、世論を動かすこともできまいて」


 う。すまんなぁ。知らん所でハードルだけ上げられてるとか。ノーラさんが知ったらまた「わぴ!」って驚きそうやな。ぷすー♡


「? どうしたのかね? 急に押し殺した笑い顔になって。! 儂、またやらかしたかの?」


「ごめんなさい。そうやなくて、前にノーラさんが驚いた時に『わぴ!』って言ったの思い出して」


「何だね? その擬音。儂も次会ったら吹き出しそうだよ」


 そう言って二人してぷすーと笑う。こうしてると、ここが基地じゃなくて、うちに遊びに来た時のおじさまみたい。


「本当に、大丈夫になったみたいだな。我々も一年の間待ち続けた君の笑顔だ。これを取り戻してくれた彼には感謝の気持ちで一杯じゃよ」


 だけど、と前置きしたおじさまは、一万人の部下を従えるお人とは思えない程チャーミングな笑顔で、


「君を独り占めにしたあ奴には、全国4000万人の君のファンを代表して精々痛い目に合わせてやるとしようかね?」


 と、おっしゃりました。大丈夫やろか?




◇◆◇◆




「……その部隊の話は聞いた事がある。キツい、苦しい、影が薄い、の3K職場だとか。後は確か、上官命令を無視するような慮外者であっても、ここへの配属をほのめかせばたちまち大人しくなるという左遷専門の部署だとか何とか」


 いきなりマルティさんが知ってはりました。でも、さっき聞いてたのとはちょっと違いそうです。


「ふふん。遂に鉄槌が下されたのね。いい気味だわ」


 と、マロンちゃんは、いつも通りの酷い言い草。もう少し、判りあってくれたらいいのにな。でも、昔からうちとマロンちゃんの好みのタイプはほぼ一緒になる事が多い。今のままの方が無難なのかな?


「……後は、ここでは隊員の人数を一人、二人、ではなく一枚、二枚、と数えるとか。段々と個性が埋没していき、最後には、壁としてお国の為に働くことを貴ぶようになるとか?」


「そっ、それは吾輩も壁役の端くれとして、興味ありますな。ごくり!」


 レイジィちゃん。それは人として何か駄目だよ~


「メロン殿? 何故おろおろされてるのでありますか?」


「お茶が入りましたよ~ 今日の茶葉は、なんとっ! ファーストフラッシュ初入荷です。スコーンも一杯焼きましたから、カロリー御覚悟くださいね!」


「「「「は~い」」」」


 ひなこちゃんが呼びに来てくれたので。みんなでお庭へGo! です。

 ノーラさんは、既に訓練始めてる筈なので、ここにはもう居ません。せめて、一度位ここでのお茶御一緒したかったですね~


 実は、言いたい事の半分くらいは飲み込んでしまっている女、メロンちゃんのお話でした。

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