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異世界突撃部隊 ゼロゼロワンワン  作者: 拝 印篭
第一章【大森林】風来無宿 
16/42

16. 風光明媚な地!

 <異世界転移13日目>


 ナイアガラの滝をご存知だろうか?


 そう、言わずと知れたアメリカとカナダの国境地帯にある有名な大瀑布である。とはいえ、俺も現物を見た事は無い。幾枚かの写真で見ただけである。それでも、普通の日本人程度にはイメージを持っていると思う。最初にブエナビスタを見た時思ったのが、


「ナイアガラの上に城が乗っかってる!?」


 そう、大瀑布の上に大きな城が建っているのである。


 マルティ伍長曰く


「……正確には、中州に建つ城の両脇を流れる大河が滝となって内海に直接流れ込んでいる。中州にある城内の街を上街(かみまち)、滝の下にある港町を下街(したまち)と呼称している」


 なるほど、良く見れば滝壺の両脇には港湾設備のようなものがある。一瞬川崎に住んでいた頃の事を思い出してしまったが、すぐに気を取り直してダイナミックな滝に目を移す。滝の高さは百メートルもあるのだろうか? 滝壺に流れ込む流れが水煙となり、光を反射し大きな虹を描いている。光線の加減が絶妙なのであろう。いい時間に辿り着いたものだ。


「それにしても、凄い景色だな。初めて見た」


「上街は王族と貴族様たちが住む街で、下街は庶民や商人たち、それに港で働く人達が住んでいます。私達の基地があるのも下街なんですよ。下街は、他国との交易の中継地点でもあり、とても活気に満ち溢れています。港から入ってくる船もたくさんあって魚もいっぱい捕れます」


「それに、うちらの基地! 施設が広くて一日じゃ回りきれない程広いんやで!」


 そんな話をしているうちに大きな街道に出た。俺達の他にも通行人たちが増えてきたのを見て、ああ、文明のある世界でよかったとつくづく感じた。


「? そう言えば、通行人がこっちをちらほら見てるよなぁ? ま、戦車なんて他に走ってないし当然といえば当然か?」


「ああ、きっとメロン殿を見かけて驚いているのでありますよ。何と言っても一年前の西果ての村の英雄でありますからして」


 なるほど、有名人に道端で偶然出会えばこんな反応になる、のか? え? 拝んでるぅー?


「それにしたってちょっと異常な感じがするけどな?」


 ん? 俺も見られてる! 見られてるよー!


「それになんか俺も見られてるような気がするんだけど……」


「……それは多分あなたの容姿の所為。黒犬はこの国にもめったに存在しない。王族か、それこそ伝説の現人神、ノラ○ロ(・・・・)様位のもの。いきなり見た事の無い黒犬に出会えばガン見もしようと言う物」


「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!」


 なんつー危険な発言しやがるんだこのロリ! 著作権ってものを知らねーのか? 第一そんな神様扱い冗談じゃねーぞ! ってか、50年は経ってるし、もう切れてるのかな? 


「まぁ、おじいちゃん、おばぁちゃん位でありますよ。わたしらナウいヤングばそんなの気にしないでありますし」


「その発言もどうかと思うが……」


 そんなことを考えていると、道の駅みたいな所に到着した。展望台や、食べ物を売ってる屋台やらの並ぶ前に馬車を止めるスペースがあり 中心部には銅像も立ってた。目線の所に横棒引いたの○くろ様!


「そのものズバリじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 とりあえず絶叫して周囲のお年寄りたちがびくっ! となった所でテケ車を停車して休憩となった。最早目の前まで来て休憩というのも非効率かと思ったが、他の人々も同様に休憩している所を見ると、どうやら理由があっての事のようだ。まあ、今は昼時だし。


「……さて、この後街門を潜って直接基地に出頭するよう言われている。街門を潜るのに待たされる場合もあるので先に昼食にしよう」


「わかりました。準備しますね」


 と、ひなこが昼食の準備をしはじめた。スキル的に彼女が一人で食事の用意をするのが一番効率的なのだそうだが、他の娘たちは年頃の娘としてそれでいいのだろうか?


 まあ、それはともかく、どうやら街へ入るまで最後の食事である。と、すればアレの出番ではなかろうか? そう、西果ての村で見つけたワインである。食前にサプライズ的に出そうと心に決め、せめて食器くらいは並べて手伝う。ロケーションも最高だし、舞台としては願っても無いものではなかろうか?


 小一時間で準備は万端整った。


「今日のお昼は、スパニッシュオムレツのピタサンドと牛串焼、それに野菜たっぷりのミネストローネで~す」


「それと、俺からのサプライズ。ワインを手に入れたんでみんなで飲もう。メロンの帰還を祝って!」


 と、言いつつカップを配り全員に注いで回る。


「それじゃあ、みんな、メロンの無事の帰還と俺の首都到着を祝って乾杯だ!」


「「「「かんぱーい!!」」」」


 皆がテンション上げている中、ひなこに胡乱気な表情で告げられた。


「でも、これ、葡萄酢ですよ?」


「「「「「ぶーっ!」」」」」


 一口飲もうとして全員そろって噴いた。せめて口に入れる前に言って欲しかった!


 まぁ、勿体ないので最終的には健康飲料のつもりでみんな飲み干したんだけどな。




 こうして、俺は遂に異世界の文明世界に辿り着いた。ここまで二週間弱。長いようで短い期間だった。その間にこうして美少女たちとも出会えたし、寄る辺のあても出来たことだし、まぁ、めでたしめでたしという所であろうか?




 異世界良いとこ 一度はおいで♪

 酒(酢だったが)は旨いし おねぇちゃんは美人だ♪ (確認済)

 ひゃ! ひゃ! ひゃっほーい❤




「ちょっと! あたしの事、忘れてないでしょうね! ここまで運転してやったんだからっ! 感謝しなさいよねっ!」


 ちっぱいな妹(飲酒運転未遂の乳無い国産)が吠えた。




※ 軍神のら○ろの像


 他人の空似。そういうことにしてください。




 これにて、第一章完結です。応援いただきましてありがとうございます。

 内容的には、プロローグが終わったと言った所でしょうか。

 第二章は、一週間程お休み頂きまして再会させていただきます。

 また、これまで深夜更新してきましたが、どうも生活習慣になじまなかった様で、中途半端な更新の仕方になっていたようです。基本深夜に書くタイプですので、冷静に校正する為の時間がやはり欲しいなと感じました。そこで、次章よりなじみのある早朝更新にさせていただこうかと思います。ご迷惑をおかけするかも知れませんが何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

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