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異世界突撃部隊 ゼロゼロワンワン  作者: 拝 印篭
第一章【大森林】風来無宿 
12/42

12. まんまんちゃんあん!

 ご感想&評価をいただきまして、ありがとうございます。

 今後も地道に精進してまいります。

 何卒、変わらぬご愛顧を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。



 ものごっつい恥ずかしい告白を互いにしてしまった俺とメロンであったが、ごろごろ転がってメンタルを落ち着かせた後、何一つ解決していない事実に気が付いた。


 とりあえず、ガオジーたちを弔おうという事になり、彼らの亡骸を一か所に集め、マグダランの火力で荼毘に付した。彼らの分と彼らが回収した認識票は、一応全て預かって、然るべき交渉が軍同士の間で行われた時に返還するようお願いすることになった。


 普通、人間の焼ける臭いというものは、同じ人同士であれば耐えられないような悪臭として認識されるという。


 では、異種族の場合であれば如何であるか、正直に言おう。オークは、すっげぇ旨そうな匂いだった

 ガオジーたちを弔う意志は別として、食欲を刺激する匂いに耐えるという拷問に小一時間耐えながらの葬儀という何とも言いようの無い経験に微妙にライフを削られながらも、何とか埋葬まで済ませた。

 

 今日一日は旅立つ準備をする事にして、西果ての村に残っていた物資を物色するため俺達は東へ向けて出発するのを一日伸ばした。


 村の中で見つけたものは、僅かな塩と胡椒、少しばかりの小麦粉だけであったが、数日の間旅を続ける為には決定的な物資であった。何と言っても調味料があったのである。後は空になった竹に井戸の水を汲んでこられた。これであと一週間は戦える。


「これで、家畜が何かいれば最高やったが、流石に一年前に全部引き揚げている筈やからまぁ、無い物ねだりしてもしゃあないなぁ」


 結局、一晩かけて村を探索していたおかげで屋根のある所で寝ることが出来て体力的には大分回復することが出来た。あんな状況であんな告白めいた事をした為、俺達は寄り添って最後の一線を越えて結ばれた。


 と、いうことは全く無く、互いに気まずさから、どちらが言うともなく、別れて別々の部屋に泊まって一晩を過ごした。


 笑わば笑え!


 そう簡単に色々乗り越えられるなら、前世の時点でもうちょっとリア充な生活を送っているのである。


 まして、今の体の事はともかく、前世の年齢を考えれば俺と彼女は「親子ほど年の離れた」間柄である。彼女の意志はともかくとして、俺としては彼女を「保護した」つもりであるし、そうそう簡単に手を出せない心境なのだ。


 少なくとも、この生活を脱して彼女を家族の元に帰してあげるまでは、そんな気分にならないのである。まして、あんな事があったばかりでそんな考えを持つとか、不謹慎極まりない。


 そう、不謹慎極まりないのである。




 明けて翌日早くに村を出発した俺達は、何事も無ければ10日程で元々メロン達が訓練をしていたキャンプに辿り着く。更に森を抜けて街道沿いに一日程で首都「ブエナビスタ(風光明媚な地)」に到着するという事だ。うまくすれば、途中彼女の仲間と合流できる可能性があるので、そうすれば一安心なのであるが。


 昨夜、メロンと別の棟で泊まった時に、家探しした結果、発見した地下室から一本だけ無事な葡萄酒を見つけた。この世界で最初に遭遇した酒である。どこかのタイミングで是非とも賞味したいと思っている。亡きガオジーたちに。メロンとの出会いに。そして死んだその日が誕生日となった俺自身に。色々と理由が出来てしまったが、結局の所、気持ちよく飲みたいだけである。その時、メロンと一緒に飲めれば最高である。この野望の為だけでも生きて人里に出る意義がある。そう思って、後十日程、頑張ってみよう。


「なんや、今日は朝からご機嫌やなぁ。何かいいことあったん?」


「もちのろん! おまえと一緒に生きて行く理由がまた一つ増えたからなぁ」


 そう言いつつ後ろから抱き付いてなでなでしてやった。


「ふ、ふわぁ~っ! 抱き付き禁止~っ! なでなで禁止~っ!」


 そう言いながらもむしろ自分からこすりつけてくるとか、女としての本能なのか、犬としての本能なのか? いずれにしても、素直でよろしい。完落ちまでもう少しだな。こりゃ! そう思ったら、なんか辛抱たまらなくなってきた。


「ん? そういえば、なんか綺麗になってないか?」


「ええええっ! 綺麗って! 美人って! かわいいって!!」


「いや、匂いとか、汚れとか、物理的な話だけど……」


「あ、ゆうべ水浴びしたから。さすがにきれいにしたくて。って、えっち」


 なに、このかわいい生き物。もう、くんかくんかしてやるっ! ぺろぺろしてやるっ!


「ひゃっ! の、ノーラさん! あん!」


 最初こそ、ちょこっと抵抗らしきそぶりもしていたが、段々と抵抗が弱くなり、むしろ積極的に俺の手を誘導するようなそぶりをしだした。


 俺の手の動きに敏感に反応するかわいい生き物が反応する度に、俺のエレクトもMAXに達しようとしている。


 嗚呼、俺、今、生きているっ!!



「ふわっ! は、んっ! はにゃ~! くぅ~ん」


 

 どっくん!




「へ?」


「え?」



 し~ん。


 昨日の今日でいきなり前言撤回した罰だろうか?


 紳士諸君。どうやら、俺はこれまでのようだ。

 さようなら。みなさん、さようなら。次回をまた、


 おーたーのーしーみーにー♪

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