第36話 吉報
ボンボン公爵のベレノア領を出発してちょうど十五日経った頃、グランドーラ王国王都が見えてきた。
ここまでくると猫ちゃんはおいそれと街道を歩けなかった。
獣人だとばれれば、その時点で兵士がわらわらと集まってくるのだ。
一度そういう目に遭ってからというもの、街道を無視してまっすぐに森や山を突っ切ることにしていた。
見えてきた王都はさすがに巨大で、爆発を起こしたらまずいことになるのは目に見えていた。
白磁のように磨き上げられた王城を横目に、王都には入らず迂回して進むことにした。
ラインゴールド家の跡地を見たいという思いもあるが、しかしその軽率な行動が、ラインゴールド家の生き残りをよく思わない連中の目に留まったら最悪だ。
すでに四年も経っている。
実際は気を揉む必要もないのかもしれない。
そう思っているのは俺だけかもしれないから嫌になる。
その線引が難しいが、ここは危険を冒すところではないだろう。
猫ちゃんを巻き込みたくないというのもある。
下手に突いてジェイドクラスの宮廷魔術師が出てきたら目も当てられない。
ここには王国最強の戦力が揃っているのだ。
「あそこ行かにゃいの?」
猫ちゃんが指を咥えて王城を見ているが、今回は縁がなかったのだ。
「また今度ね」
「にゃんでー?」
「あの大きな町に入るには大変なんだよ。壁を越えて入ったらたくさんの兵士に追いかけられちゃう。だから入らないんだ」
本当は複雑な理由があるのだが、猫ちゃんに話すことではない。
それに、獣人を連れているだけで連行されるのだ。
王都は敵地であるといってもいい。
「いままでは大丈夫だったけど、ここはだめにゃの?」
「ここは王都って言って、ものすごく強い人たちがたくさんいるんだ。俺よりも強いかもしれない」
「アルがいちばん強いよー。アルは強くにゃいの?」
「うーん……俺よりも強い人はいっぱいいるってこと。マンティコラが何百匹もいるような巣には入りたくないでしょ?」
猫ちゃんは首を傾げて、宙に視線を彷徨わせた。
尻尾がピンと立つ。
「イヤかも」
「ね? そういうこと」
「わかったー」
特に未練はないらしかった。
いつもは強引な方法で町に侵入するから、今回もそうするものと思っていただけのようだ。
最近、猫ちゃんの質問が多くなった。
知識をいっぱい詰め込んでいるのだろう。
こういうとき、教えられるだけの情報を開示してやったほうがいい。
猫ちゃんが知的に成長するかもしれない。
光源氏計画は水面下で進行中なのだ。
王都は行程の半分だろう。
あと半分で、西端のウィート村に到着するはずだ。
王都より東側では、大平原の戦争が噂の種だったが、王都より西側に行くと、大森林の迷宮について、有名な冒険者が挑んだとか、騎士団が壊滅しただとかの話題で持ちきりだった。
噂を聞く限りでは、相当に攻略困難な迷宮らしい。
王国を横断する間にも、迷宮らしき場所を三箇所ほど見かけているが、入るまではしていない。
どうやら迷宮の入り口に見張りが立っており、入るための資格を必要としているようだった。
後学のために少し覗いたが、厳つい男たちばかりが目に付くのですぐに離れた。
ガテン系男子どもの職場という感じだった。
村に寄るときは、いつもとやることは変わらない。
魔物の素材を売り、神殿に言伝を残し、西の噂を集める。
ついでにエルフを見かけたかどうかの情報も集めたが、こちらは空振り続きだ。
移動すること二十日目、猫ちゃんの身体強化が様になってきた。
そんな頃、ようやくエルフの情報が入ってきた。
西の迷宮を目指して村々を移動しているらしい。
小さな女の子は連れてなかったかどうか聞いてみても、多分いなかったと言う。
どういうことだろうか。
リエラをエド神官に預けて、ひとりで迷宮に向かっているのだろうか。
俺を待つために?
なんて弟子思いなのだろう。
目からしょっぱい汁が溢れそうだ。
ならばなんとしても合流しなければ。
人族が苦手な師匠でも、猫ちゃんなら比較的受け入れやすいだろう。
だって中身八割方猫だから。
王都から西への街道を進むのは、わずかな感慨があった。
四年前、俺とリエラは両親と離れ離れになり、馬車に揺られて王都からスピカ村へと向かったのだ。
道なんてひとつも覚えていないし、途中に寄った村も同じだ。
あのときは、リエラを励ますので精一杯だった。
しかしその道を少しなりともなぞっていると思うと、何かが胸に去来するのだ。
郷愁とでも言えばいいのか。
リエラとアルシエルの両親はどこへ行ったのだろうか。
夜逃げからというもの、両親が処刑されたという噂は聞かない。
どこかで潜伏して、王都に返り咲くのをひたすら待っているのだろうか。
子供たちを探す努力を諦めているのか。
猫ちゃんは俺の心境などどこ吹く風で、拾った小枝を振り回しながら前を歩いている。
尻尾をゆらゆらと呑気に揺らしている。
そのくらい能天気なほうがいい。
感傷はやめよう。
湿っぽいよりは気楽に行こう。
三日後に寄った村で、有益な情報収集ができた。
噂で、王都から将軍と魔術師隊が千の兵を引き連れて出兵したことが囁かれていた。
ちょっと井戸端に耳を澄ませば、ゴロゴロと出てくるわ。
「麦の値段が跳ね上がってるって噂だよ」
「天候が悪かったのかねえ」
「いや違うんだよ、穀倉地帯で迷宮が生まれちまっただろ? 魔物が大量に発生して、麦の収穫がほとんどできなかったって話だ」
「それは困ったねえ。騎士様たちが早く魔物を追っ払ってくれるといいんだけど」
「領主は無能だったからねえ」
奥さんふたりの会話だ。
他にも、領内の治安を回復できなかった領主に代わり、事態収拾のために王国が重い腰を上げたとか。
領主と言えば、エド神官をお祭りだか何だかで召喚した男だ。
おかげでリエラやファビエンヌに寂しい思いをさせたので、あまりいい感情を持っていない。
その領主は、迷宮を未然に防げないばかりか、村ふたつ、今はそれ以上に拡大している被害を率先して防がなかったことが明るみになり、重い罪を負わされるようだ。
爵位の剥奪と平民への身分落ちは避けられないという。
縛り首でいいんじゃね? と思うのは、俺がこの世界に毒されてきた証拠だろうか。
だって最近、猫ちゃんは森の中に入れば魔物の死骸を引きずってくるんだもの。
服を魔物の血でべったり染めて、褒めてほしそうな顔をして獲物を差し出すのだ。
そりゃ死生観も緩くなるというものだ。
まあ会ったこともない領主のことなどどうでもいいか。
いまは会ったことのあるエルフの話だ。
迷宮に向かっている。
俺も向かっている。
そして再会。涙の再会。
「アル、にゃんかうれしそう?」
猫ちゃんがキョトンとした目で尋ねてくる。
「エルフに会えるからね」
「エルフ! あたし見たことにゃあよ!」
「楽しみだね」
「たのしみにゃあ!」
頭を撫でると、喉を鳴らして頭を擦り付けてきた。
あまりに愛くるしいので頬にキスをしまくった。
勢い余って口にもキスした。
猫ちゃんの目がとろんとしていたら興奮するが、親戚のオジサンに頭を掻き回されて迷惑がっている子供のような顔をしている。
さらに猫耳をくにくにといじると、嫌だったのかすぐに逃げられてしまった。
うーむ、限度を考えねば嫌われてしまう。
とにかく師匠に会える。
そう考えるだけで、自然と笑みが浮かんだ。
いいこととは続くものだ。
次に寄った村に神官がひとりいて、言伝を頼もうとすると、エド神官からの伝言を預かっていると言われた。
「マリーズ神官より、アル様宛てに言付かっております」
彼はエド神官のその時の様子を思い出すように目をつぶり、わざわざエド神官の口調を真似て話してくれた。
あれ? 神官ってそういうのがお仕事だっけ?
『アル、無事か? 私たちはテオジアへ行く。テオジアの場所は、頭のいいおまえならわかるだろ?』
テオジア……王都の北に行ったところにある大きな町だったはずだ。
俺と猫ちゃんは王都の南側を通って西に向かっているので、完全に王都を挟んで逆方向だ。
『テオジアの修道院には昔馴染みがいて安全だから、そこに娘ふたりを置いていこうと思う。エルフの旦那もふたりについていてくれる。私は安心しておまえを探す旅に出られる』
リエラと師匠は無事に神官父娘と合流できたようだ。
その上で、エド神官だけ分かれる道を選んだ。
そのまま四人固まっていてくれたほうが、俺としては安心できるのだが。
『この伝言を受け取ったら、一度テオジアへ行き、待っている娘らを安心させてやってほしい。私はテオジアから、東の国境まで行くつもりだ。生きて、会おう。じゃあな』
生きて、会おう、か。
死んだら二度と会えない。
電車もバスも飛行機もないこの世界、電波も受発信していないから、一度の別れが永遠の別れになることもあるだろう。
しかしリエラとファビエンヌは師匠と一緒にいるのか。
あれ? じゃあ迷宮に向かったエルフは別人?
じゃあ会わなくてもいいか。
なんて。
会わないわけがない。
師匠とは違うエルフにも会うべきだ。
師匠は何も教えてくれなかった、エルフの聖域についても、聞けるなら聞いてみたい。
神官に、エド神官宛てに伝言を残し、その日のうちに村を発った。
“俺は一度、西の迷宮に向かいます。その足でテオジアに寄ります。いまベレノア領のベドナ火山麓にある獣人の村を拠点にしていますので、何かあれば村に寄ってください。アルより”
進路は西。
北のテオジアへ行くのは、もう少し後になりそうだ。
あの転移からこちら、頭の片隅にあった懸念はようやく晴れたわけだ。
肩の荷が下りたような軽さを感じていた。
最悪の想像だけはすまいと思ってきたが、それが杞憂になってほっとしている。
村を出てしばらく歩き、人目がなくなった川沿いの道で、
「よっしゃぁぁぁー!」
と、快哉を上げた。
ビクリと耳を伏せた猫ちゃんに抱きつき、腰を持ってくるくると回った。
「???」
はてなマークを頭にいっぱい浮かべた猫ちゃんに構わず、俺はひとり喜んだ。
猫ちゃんもすぐに慣れ、遠心力で体が浮かぶことにケラケラと笑っていた。
猫ちゃんを下ろすと、「もっかい! もっかい!」とねだるので、またくるくると回った。
勢いがつきすぎて、土手から転がり落ちた。
草原に寝そべり、猫ちゃんと笑った。
「にゃにが楽しいの?」
落ち着いた頃、猫ちゃんが聞いてくる。
「妹が無事だったってわかったんだ。ずっと心配してたから、ホッとしたんだよ」
「アルは妹がいるの?」
「うん。双子の妹だよ」
「あたしも妹いるよ! お姉ちゃんもいるー!」
「猫ちゃんは姉妹だったの?」
「にゃ!」
猫ちゃんは笑顔で頷いた。
そういえば、猫ちゃんの家庭事情を聞いたことがなかった。
奴隷にされていたことで、聞きにくい気がしていたのだ。
いい機会だから聞いて見てもいいかもしれない。
「猫ちゃん猫ちゃん」
「むー?」
「お父さんお母さんはいるんだよね?」
「いるよー」
「会えるなら会いたい?」
「んー、そうでもにゃい」
そうでもないらしい。
ちょっとは会いたいけど、今は別にいいにゃーというノリだ。
奴隷として売られたのだろうか。
マリノアは攫われてきたと言っていたが。
言葉が通じるようになってから、そういった相手に踏み込むような話はしてこなかった。
俺自身踏み込まれても困る事情があるから、相手には踏み込まないように知らないうちにストッパーがかかっていたのかもしれない。
それでも、猫ちゃんに踏み込みたいと思っている。
猫ちゃんにも踏み込まれたい。
そうして、心の距離を埋めて行きたいのかもしれない。
「猫ちゃんは……どんな事情で奴隷になったの?」
「うーんにゃー……」
猫ちゃんが考えている。
最近は考えて話すようになってきたと思う。
「覚えてる?」
「お家から遠い場所で遊んでたー。人が来て、甘い果物くれたー。ニィニャがもっと欲しいって言って、ミィニャも欲しいって言ったの。もっとくれるって言うから、ついていったのー。でもシィニャはお母さんに言うって言ったから、ニィニャと果物もらったのー」
猫ちゃんの説明では細部がわからない。
こちらの想像を働かせるしかない。
「ニィナは妹?」
「そうー」
「シィナはお姉ちゃん?」
「にゃ」
「妹と一緒に果物をくれる人について行って、お姉ちゃんはお母さんのところに戻ったと」
「そー」
お姉ちゃん、もっと妹を引き留めようぜ?
「そのあとどうしたの?」
「馬車に乗ったのー。子供がいっぱいいたー。でも途中で降りたり乗ったりして、ニィニャもいにゃくにゃってたー」
それは不安にならなかったのか。
猫ちゃんの口振りからは、事の重さが伝わってこない。
しかし、それが人攫いの実態を、余計に浮き彫りにしている気がした。
要するに猫ちゃんは人攫いに遭って、妹とも生き別れてしまったのか。
「ミィニャが降りたところはね、綺麗な服の人がおいしいご飯くれたのー」
猫ちゃんは嬉しそうに話すが、俺の胸が痛むだけだった。
俺は次に寄る村で、手紙を出そうと決めた。
マリノア宛で、猫ちゃんと同じ毛並みで猫ちゃんよりも幼い雌猫の奴隷を見つけ次第保護して欲しいという内容だ。
名前はニィナ。
猫ちゃんと同じ境遇で奴隷になった幼女。
胸が痛む。
幼女はすべからく世界から愛されなければならない。
俺が法律なら必ずそうする。
ボンボンにも送るべきか。
やつは幼女にも手を出そうとするクソ野郎だからな。
やめておこう。
またひとつ悩みが増えてしまった。
ボンボンに送らない代わりに、東国の将軍には知らせておこう。
俺に貸しを作りたいなら、血眼になって探してくれるだろう。
俺も落ち着いたら東国に入るか。
奴隷市場とか見てみるのもいいだろう。
なんとかしたい。
猫ちゃんは楽観的に考えているようだが、俺が裏で動けばいいか。
猫ちゃんはいまも、姉妹で遊んだ森の話を笑って話している。
そこに住み着いている小動物を追いかけるのが、彼女ら姉妹の楽しみだったらしい。
単純にアホの子だから、自分の立場を深くは考えなかったのだろう。
それが幸いしているとも思える。
師匠以外のエルフに会えるからと浮かれていた気分が、マイナスに落ち込んだ。
その日は夜遅くまで猫ちゃんのことを考えて、一睡もできなかった。
翌朝、猫ちゃんを抱き枕に、疲れた体を起こした。
自分の顔を鏡で見たら、九歳児のくせに酷い顔をしていることだろう。
スゥスゥ眠る天使のような猫ちゃんの寝顔に、愛おしさが溢れてしまった。
早く大人になりたいものだ。
俺と猫ちゃんが家族になる。
そういう想像力だけは、豊かだった。
猫ちゃんの額にキスをして、起きるのを待つ。
朝食を済ませてから、出発する。
見るもの聞くものが目新しい猫ちゃんは、必然的に俺への質問責めになっている。
それに面倒臭がらず答えつつ、ついでに人間語も織り交ぜて話し、山道を数時間ほど歩いた。
魔物を退治しながら進むと木々が開け、高台に出た。
崖の下の林を跨いだ向こうに、村が見えた。
「あ!」
俺は思わず声を上げた。
村に見える魔力の塊。
それはよく知る人物か、それに似た魔力だったのだ。
「エルフ……」
あの村に間違いなくエルフがいる。
そう思うと、無意識に猫ちゃんを見てしまった。
「んにゃ? どうしたのー?」
「あ、えっと、エルフがいるみたい」
「エルフ!」
猫ちゃんは目を輝かせた。
この子に気を遣うのは逆効果か。
そんな風に思った。
「はやくはやく!」
ピョンピョン飛んで、背中にしがみついてくる。
普通は降りるのも困難な崖だが、跳んでしまえば一瞬だ。
背中に縋りついてくる猫ちゃんをしっかりと背負い、リュックを前で抱えて、崖を飛び降りた。
村にはエルフ以外に気を付けなければならないものはいない。
なぜこんなところにいるのか。
疑問は尽きないが、確かめてみればいいだろう。
村に入り、真っ直ぐにエルフのもとに歩いていく。
魔力を感じる。
懐かしい感覚だ。
師匠に似た魔力だった。
それでも別人なのか。
猫ちゃんを連れ、真っ直ぐに村の広場に出る。
軒先に立ち並ぶ料理屋の一軒の店内に、耳長で金髪のエルフが冒険者らしき男三人と額を突き合わせて座っていた。
俺が近づくと、エルフもまた何かを察したように振り返る。
エルフの美少女がいた。
彼女がゆっくりと立ち上がる。
歳の頃は、二十歳前だろうか。
細くくびれた腰に、華奢な肩、造形美と呼ぶべき端正なプロポーションだ。
師匠と同じさらさらの金髪を、背中にかかるくらいに流している。
振り返ったエルフは、むすっとしていた。
「ずっと見ていたのは君? 嫌な感じがする」
小顔な彼女は、やっぱり美形だった。
細く切れ長の眉に、青い瞳、桜色の小さな唇。
どのパーツをとっても文句のつけようがない。
イケメンは憎いが、美少女は何人いてもいいな。
鑑定を使ってステータスを見た。
名前 / ニニアン=ニシェス
種族 / 森人族
性別 / 男性
年齢 / 五十七歳
職業 / 魔導士、狙撃手、薬草学士、調合師、細工師、付与魔術師、聖域の番人
技能 / 属性魔術、超身体強化術、付与魔術、造形術、神眼
「え?」
どこからどうみても美少女を、もう一度見てみる。
名前 / ニニアン=ニシェス
種族 / 森人族
性別 / 男性
年齢 / 五十七歳
職業 / 魔導士、狙撃手、薬草学士、調合師、細工師、付与魔術師、聖域の番人
技能 / 属性魔術、超身体強化術、付与魔術、造形術、神眼
苗字がニシェスというから、師匠の身内で間違いなさそうだが。
「ええ?」
頭が混乱しそうだ。
美少女……五十七歳。
さすが長寿族。
五十代でもまだ子供ってわけですかい。
いやそこじゃない。
見た目美少女なのに、ステータス覧には、男って出てるんですけど……。
「なに?」
声はハイトーンだが、押し殺していて、それでも澄んだ心地よい響きだった。
なのに、男かよ。
エルフもまた、俺を見て眉根を寄せていた。
「君……」
彼女?は、俺の何かを見つめ、顔をしかめた。
俺のステータスが見られているのは、なんとなくわかった。
第2部1章 完
第2部1章はここで終わります。
次回から2章に入ります。
第2部少年時代が何章まで続くか、作者も予想がつきません。
なにせ構成から書き起こすと、勝手に文量が増えていくので……。




