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由衣△  作者: 君田熾世
本編
3/8

00 過去/始まりの日。

 

 

 ◇ 彼女は、昔から本をよく読んでいた。


 × 幼馴染みの彼女は、昔から面白いものが好きだった。


 ○ 幼馴染みの彼は、昔からゲームが好きだった。


 △ 友達の彼は、昔から空想ばかりしていた。


 ☆ 従弟の彼は、昔から空を見るのが好きだった。




 彼らはある年の夏に出会い、ひとつの世界を創り出した。




 こんな話があったら素敵。――彼女は『夢』を。


 こんな物があったら面白い。――彼女は『形』を。


 こんなゲームがあったらかっこいい。――彼は『理』を。


 こんな世界があったら楽しい。――彼は『人』を。


 こんな星があったら最高。――彼は『場』を。




 星に暦、大陸に海、国や建物、組織や人、動植物、歴史に流通、時間に理。

 考えることが楽しくて、彼らは夢中になった。


 でも、楽しい夏もやがて終わる。

 八月の終わりに、来年また会おうと約束して彼らは別れた。



 ――それなのに。



 その年の冬に、ひとりが欠けた。

 欠けたのは彼だったのに、彼にとって消えたのは四人のほうだった。


 彼は空を見上げた。




「……みんな、どこに行ったの?」




 彼のもとには五人で作った世界だけが残り、彼はいつかやってくる仲間のためにその世界を作り続けた。






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