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蝋燭

作者: 香月由良
掲載日:2026/05/08

佐和子は今まで数々の悪さをしてきた。

元来人間が好きで、冒険家になりたくて、好奇心が旺盛な人間だった。

幼稚園の頃にカゴの中で飼われていたうさぎを逃がして「自由に生きろ」と鼓舞をした。

すぐさま「自然ではもう生きられない」と、人間的直感ですぐさま戻したけれど、うさぎたちはどう思ったのだろう。

活発さは時として過ちに陥る。

世界を油断していて、自堕落に陥った。

昼職は続いても1年や2年ほどで、世界が大好きで、怖かった。

設計の勉強をしてきた時、もう自分では線が引けないと恩師の前で大号泣をしながら朝方まで飲み明かした。

帰り道の坂道、酔っ払った2人は夜空を眺めた。

「おい、空を見ろ」

涙でぐしゃぐしゃな顔は満天の星空と、雲に反射する満月を見る。

「この月を忘れるな」

今でも心中にあったはずなのに、甘く見ていた。

自己反省する機会はいつだってある。

遅いことなどない。過去も未来も整理できないから不安は生まれるのだ。毎日を、人生を丁寧に生きることで不安は薄れて行った。

怖いものがあるもんか。

怖いものがあるもんか。

がむしゃらの努力をしたあの頃を思い出す。

ふと、木が描きたくなって夢中になった。

何本も描いてきた木だ。

初めて精神科に行った時、弱々しい木しかかけなかったが、自分の木を見て、はっとした。

これだ。この木、風のさえずり、ことりの鳴き声、朝の清々しい朝日。

こうした日々が潤いとゆとりをくれて、人間が、侍が精神を強くするのだ。

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