009
あれから2ヶ月後、
美青はいつものように竹箒で
落ち葉を集めていた。
「美青ちゃん!こんにちは!」
自分を呼ぶ声がして振り返ると、
莉々花とおばあちゃんが手を振っていた。
美青「お久しぶりです!莉々花ちゃん、
元気そうだね。顔色が凄くいいよ!」
莉々花「お姉ちゃん!昨日退院したの!」
祖母「莉々花がどうしてもここに来て
お参りしたいって。お礼も兼ねてね」
美青「退院おめでとう!頑張ったね」
莉々花「うん!ありがとう!」
莉々花は嬉しそうに笑い、祖母に連れられ
お賽銭を投げて手を合わせた。
目をギュッと閉じ、五分ほど祈る。
綿毛への感謝を伝えたのだろう。
その後、二人は美青に笑顔で手を振って
手を繋ぎながら帰って行った。
影から見ていた叶実は
莉々花が書いた絵馬を見る。
絵馬には
『わたげちゃんが生まれ変わりますように。
また一緒に遊べますように』
と書かれていた。
叶実「叶うわよ、必ず…」
叶実は空に浮かぶ綿毛のような雲を
見つめながら、ぽつりと呟いた。
参拝の帰り道
祖母「莉々ちゃん、お買い物して帰ろうか」
莉々花「うん!アイス食べたい!」
祖母「はいはい」
商業施設に入ると、莉々花は
不思議な感覚を覚え、立ち止まった。
祖母「莉々ちゃん?どうしたの?」
祖母の声は莉々花には届いていない。
何故か、頭の中で誰かに
『ペットショップに行け』と、
言われているような気がする。
莉々花は最後に行った日の記憶を頼りに、
ペットショップがある方向へ走り出す。
祖母「ちょっと!莉々ちゃん!」
莉々花は無我夢中で走った。
待ってる
待ってるから行かないと
不思議な感覚を頼りに進んだ。
ペットショップに着き、息を整えて進む。
数分後、やっとの思いで祖母も追いついた。
祖母「はぁ…はぁ…莉々ちゃん…?」
莉々花はガラス越しに見つめる動物達に
目もくれず、真っ直ぐ前を見て歩く。
そして、ある場所で立ち止まり
ガラス越しの動物へと視線を向けた。
莉々花の目の前には、
真っ白で、蝶の様な耳をした犬が
しっぽを振りながら飛び跳ねていた。
右下には
『パピヨン』と書かれている。
莉々花はパピヨンの目の前に行き、
こう叫んだ。
莉々花「綿毛ちゃん!お迎えに来たよ!」
莉々花の後を追ってきた祖母は、
見つめ合う姿を見て、運命を感じていた。
祖母「生まれ変わり…本当にあるんだね。
きっと、あの白い蝶が莉々ちゃんを
助けてくれたのかもしれない。これは、
きっと運命。恩返ししないとね…」
そう呟いて、莉々花の元に向かい、
祖母「綿毛ちゃんみたいに綺麗な白ね。
この子にうちの家族になってもらおうか」
と言った。
莉々花は目を輝かせて喜んだ。
祖母「お名前はどうする?」
莉々花「もちろん、綿毛ちゃんだよ!
これでまた一緒に居られるね!これから
二人でいっぱい思い出作ろうね!!!」
莉々花に声をかけられたパピヨンは
大きな声で
「ワン!」と鳴いた。




