005
三日後の夕方、叶実が竹箒で銀杏の葉を集めていると
制服姿の美青が現れた。
美青「蝶花楼さん、こんにちは!この間はいろいろと
助けていただいてありがとうございました!!」
叶実「お礼ならその子にいいなさい」
あの日からユリシスは、美青の傍を片時も離れないでいる。
美青「もちろん伝えてます!でも、蝶花楼さんにも
お世話になったのでお礼を…あと、この子みたいに私も
恩返しがしたいなと思って…」
叶実「恩返し?例えば?」
美青「神社のお仕事、何でも手伝います!ほら、私何でも
一度で覚えられるし、教えるのも苦じゃないと思いますよ?
それと…」
叶実「それと?」
美青「蝶花楼さんの人助けを私にも手伝わせてほしくて…
私が救われたように、他にも悩む人を救いたいんです」
叶実「そっちが本心ね」
美青「ギクッ…」
叶実は少し沈黙してからこう伝えた。
叶実「週二回。学校終わりに神社のバイトで雇ってあげる。
闇吸いの日には昼夜関係なく駆け付けること」
美青「本当に!?私、いつでも出動しますから!」
叶実「それと」
美青「それと?」
叶実「バイト終わりに、夕飯を作ってほしい。週二回、
火曜と木曜は、父が出張でお祓いをする日程を組む日に
していて一人なの。料理の能力だけは備わってなくて…
もうコンビニ弁当には飽きたのよ…」
美青「料理かぁ…出来るかな?調理実習でしか…」
叶実「一度見たら何でも出来るんでしょ?出来なければ
この話はなかったことにしましょう」
美青「わわわわ!待って!やります!やりますから!!!
やらせてください!お願いします!早速明日が木曜だけど
何かリクエストとかある?」
叶実「…唐揚げとカルボナーラ」
美青「組み合わせ悪っ…」
叶実「何か言った?」
美青「ううん、何も!!そうと決まれば唐揚げと
カルボナーラのレシピ動画を見なきゃね!」
美青と叶実の契約は成立し、
これから二人で闇吸いをしていくことになった。
同じ空の下のどこかで
神頼みしたいと思うほどの悩みを抱えて
救いの手を待つを誰かのために。




