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全ての映像を見終えた美青は、
琥珀を抱きしめた。
美青「よくここまで来てくれたね。本当にいい子。
琥珀くん、素敵な名前。琥珀のことは私達が守るから」
叶実「私達には最初から気を許してくれていた…
自分の価値を理解し、それを狙う人を見極めている。
賢い子だわ。何より…私達を信じてくれてありがとう」
琥珀は、安心しきって目を閉じている。
美青「ねぇ、鈴木さん…今凄く心配してると思う。
お友達の猫だから尚更ね。無事だということと、
また狙われたら危ないから預かる話をしたいな。」
叶実「そうね、もう一度映像を戻して琥珀の家の
手がかりを探しましょう」
二人は何度も映像を巻き戻し、
スマホの情報と地図で照らし合わせる。
そして、琥珀の家を見つけ出すことが出来た。
翌日の放課後、美青は琥珀の家へ立ち寄った。
鈴木さんがいる可能性を信じて、
何度かインターホンを押すが、応答はなかった。
美青は、前以て書いてきた手紙をポストに投函した。
宛名は鈴木さんで、送り主は美青。
神社のじの字も悟られないように対策をした。
そしてその夜、美青のスマホに
知らない番号から電話がかかってきた。
その相手は、鈴木さんだった。
手紙を読み、書き記した電話番号に
かけてきてくれたのだ。
琥珀の無事を伝えると、泣いて喜んだ。
おばあさんは無事で、退院予定が立ったが
年齢を考えてそのまま介護施設へ入所する話が
遠方に住む親族の間で出ているそうだ。
今家に返すのは危険だということと、
当面の間は預かりたい気持ちを伝えると、
その方が安全だと快く受け入れてくれた。
途中、安心してもらうためにテレビ電話に
切り替えて琥珀の姿を見せる。
鈴木さんが琥珀の名を呼ぶと、
琥珀はゴロゴロと喉を鳴らして
スマホの傍から離れなかった。




