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闇吸蝶図鑑  作者: 夜宵
12/31

012




叶実「お疲れ様。綺麗なアゲハ蝶ね。

さぁ、心の声を聞かせて」



蝶は、叶実が手に持つ巫女鈴に止まった。



鈴からはラジオが流れているかのように

男女の会話が聞こえてきた。


背景には、雨の音がしている。





男「何だよ、今日はお父さん達が留守で

一人だっていうから心配してきたのに」




春佳「…大丈夫だから。もう大学生だし。

いつまでも子供扱いしないでよ。」




男「子供扱いなんてしていたら、こうして

二人きりになれる時を狙ってこないだろ」





春佳「本当に気持ち悪い…私達従兄弟だよ?

私は冴月(さつき)をそういう目で見たことない。

今までのこともお母さん達に言うからね」




冴月「俺はずっと好きだったよ、今でもね。

今までのことって…まだ何もしてないじゃん。

頭を撫でたり気持ちを伝えたりとかしかさぁ」




春佳「それがもう嫌なのよ!無理なの!

早く帰って!早く出て行ってよ!」




春佳のこの声の後、

雷が落ちた音が鳴り響く。




冴月「雷怖いだろ?俺がいるよ、春佳」




春佳「やめて!離して!触らないで」



会話の最中も、雷が鳴っている。



そして


停電になった時間以降、

恥辱を受け必死に抵抗する春佳の声が響いた。





美青「……酷い…これって…こんなの親に

話せるわけないじゃん!しかも、相手は

従兄弟だなんて…」




叶実は無言で指を鳴らす。


すると、真っ黒な蝶が現れた。





叶実「この男の声…耳に焼き付けなさい。

男の家までこの子を案内してちょうだい」



黒い蝶は、会話をじっと聞いている。



しばらくして、鏡に移動し、鱗粉を付けた。



鏡の中の風景がみるみると変化し、

スマホの明かりだけが灯る部屋が

映し出された。



スマホの光は、冴月の顔を照らしている。





黒い蝶は、キアゲハを連れ、

冴月の部屋へ向かう。




キアゲハは真っ先に冴月の右耳に止まり、

春佳の心の闇を植え付けた。



左耳では、黒い蝶が何かを注入している。





黄色に黒の縞模様だった羽は

元の真っ白な姿に戻っている。




冴月は狂ったようにもがき始めた。




冴月「ごめんなさい…ごめんなさい!!

今すぐ自首しますから!!!」



大声で叫ぶ冴月の髪がふわっと逆立つ。



次の瞬間、ドーンと大きな雷鳴が轟いた。



雷という天罰をくらった冴月は

床に倒れ込んだ。





その後、搬送先で意識を取り戻し

泣きながら犯行を自供。



駆けつけた警察官により逮捕された。




黒い蝶は、冴月に一体何をしたのか。



叶実の元にやってくるのは、

決まって白い蝶だ。


黒い蝶は、叶実が『何か』を唱えて

蝶に耳からその言葉だけを吸わせて変色させている。





美青が何度聴いても、叶実は



『ちょっと地獄を見せてあげただけよ』


と言い、はぐらかし続けた。









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