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ツタンカーメンの本当の王墓はどこにある? ⑥

では、ツタンカーメンがアテン信仰と決別していたのはフェイクだったのか?

この問いに関しては、イエスとも言えるし、ノーとも言える。

これが答えとなる。


そのような曖昧な言葉になってしまう原因を示すものが、ツタンカーメンの葬送品の中で黄金のマスクとともに有名な黄金の玉座に残されている。


その話をする前に知っておかねばならないことがある。


それは、ツタンカーメンはアマルナ放棄と前後して、トゥト・アンク・アテン(ツタンカーテン)からトゥト・アンク・アメン(ツタンカーメン)に、王妃も、アンク・エス・エン・パア・アテン(アンケセパアテン)からアンク・エス・エン・パア・アメン(アンケセナアメン)と、アテン神を冠する部分をアメン神へと変更した名に改名したこと。


それを踏まえてこの玉座について説明しよう。


この黄金の玉座の背もたれの部分には、王に香油を塗る王妃が描かれている。

そのふたりの上部に目をやると、アテン神を示す腕がついた太陽円盤が描かれているのだが、その太陽円盤の下にある碑文は王、王妃とも改名後の名前となっている。

だが、背もたれの裏側を見ると、王と王妃の名前にはアテン神の名が残る。


ひじ掛けに至っては、右側にハッキリとトゥト・アンク・アテンの名が燦然と輝く。


このことからわかること。

この玉座はツタンカーメンが改名する前、すなわちアマルナから離れる前につくられていたことは間違いない。

その後、改名に伴い名前の書き換えがおこなわれたが、その一部はそのまま残った。


だが、ひとつの葬送品にアテン神とアメン神の名前が残るこの状態をどう解釈すべきか?


作業をおこなう者の見落としなのか?

それとも、作業時間がなかったのか?

そうでなければ、意図的に残したものなのか?


さすがにこれだけの数であれば見落としとは思えず、残りは二択だが、比較的作業しやすいにもかかわらず旧名が残されたひじ掛け部分の名前がさらにひとつの可能性を落とす。


そう。

答えは……。


意図的にアテンの名を残した。


もちろん彼は自分の墓を暴かれることを前提にしているはずがないので、妄想兼大上段からの物言いとなるが、これはあくまで軽い読み物。

多少のことは許されるだろう。

ということで、結論は……。


自身の埋葬品にアテンの名を残した。


これはツタンカーメンからの明確なメッセージである。


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