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推理小説風に考える「ツタンカーメンの本当の王墓はどこにある?」  作者: 田丸 彬禰


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ツタンカーメンの本当の王墓はどこにある? ③

ツタンカーメンが埋葬されていた「王家の谷第62号墓」は、本来の王墓ではなかったのは大きさだけではなく、そのレイアウトからもあきらか。

だが、その墓の本来の目的が倉庫だったというのはどのような根拠に基づくのか?

また、父王の妃の墓に関わりがあるとはどういうことなのか?


探偵はこう主張する。


その根拠。

それはツタンカーメン王墓から発見された多くの埋葬品には文字による証拠が残されている。

現実には推理小説などで頻繁に登場する犯人を示す死者の言葉、ダイイング・メッセージはほぼ百パーセント存在しないのだが、今回の事件では決定的とまではいかないものの、十分にそれに値するものが多数残されている。


ツタンカーメンの遺物の中には自身の家族に関わるものは多くある。


夭折した自身の子のミイラ。

祖母の遺髪。

父の名が刻まれた遺物。


それらとともに、元の所有者の名を消し、ツタンカーメンの名を加えたものがある。

それらは他者の埋葬品を再利用されたものと考えられるわけだが、この再利用の対象者は特定の王に集中している。

即位名アンクケペルウラー、誕生名ネフェルネフェルウアテンという名で呼ばれる王である。


元々は倉庫だった、または、ネフェルネフェルウアテンの墓だったという主張の根拠がこれであり、彼らが語るストーリーはその墓を改造する際に、そこに納められていたネフェルネフェルウアテンの埋葬品も横領したというものである。


話は少しだけ脇道へ進む。

経緯はともかく、明確な証拠からツタンカーメンがネフェルネフェルウアテンの葬送品を奪ったのは確実なのだが、多くの者はそのような名の王は聞いたことがないかもしれない。

だが、この王はツタンカーメンと父王アクエンアテンの間に確実に即位していた。


では、それにもかかわらず知られていないのか?

治世年数が短かったこともあるのだが、なによりも大きいのは墓や王のミイラが見つからないことである。

だが、なぜか葬送品だけが見つかる。

ツタンカーメンの王墓内で。

しかも、名前を書き換えられて。


もちろん改竄者が意図したとは思えぬが、現在の人間には強烈なメッセージとなる。


もし、これが作業をおこなう者が完璧な仕事をしていたら、我々は疑うことなくそれらはすべてツタンカーメンのためにつくられた葬送品と信じていたことだろう。

そして、そこからさらに踏み込んで考えた場合、完全な仕事によって名前は確認できないが、他にもそのような書き換えによってツタンカーメンに奪われたネフェルネフェルウアテンの葬送品があるのではないか?


さて、ここまでのものを示されて、あなたならどう考える?



古代エジプトの王名について簡単に説明しておけば、この時代の王は通常五種にわけられる名を所有していた。

即位名と誕生名もそこに含まれる。

わかりやすくツタンカーメンの例を出せば、ツタンカーメンはこの王の誕生名であり、即位名はネブケペルウラーとなる。


付録

この書き換えについてその目で確認したい方のための資料。

カーターの遺物番号「261-p-1」がつけられたヌト神が描かれた金の胸飾り。

これは比較的簡単に書き換えがおこなわれたにもかかわらず元の所有者を確認できるものとなる。

博物館で現物を見るのが一番よいのだが、さすがにエジプトには簡単には行かれない。

いくつかの本で取り上げられているのだが、わかりやすいものをひとつ挙げれば、「The Illustrated Guide to the Egyptian Museum」である。

ネット上でも、「tutankhamun 261-p-1」で画像検索すればヒットするはずである。


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