ツタンカーメンの本当の王墓はどこにある? ②
まず、「ツタンカーメンの真の王墓失踪事件」における警察官役である専門家の意見はどのようなものかを語っておこう。
ツタンカーメンが実際に埋葬されたツタンカーメン王墓「王家の谷第62号墓」は、本来の王墓ではなかったというについて専門家の意見は一致している。
さらにツタンカーメンが自らの墓として造営し、本来埋葬されるべき墓だったのは、次王アイの王墓「王家の谷第23号墓」である。
多くの専門家がこの意見に賛同している。
では、なぜツタンカーメンは自らが造営していた王墓ではない墓に埋葬されることになったのかといえば、その死が急であったために完成には程遠いその墓に埋葬することができなかったからということになるのは当然の流れであろう。
では、やむを得ず利用したその墓「王家の谷第62号墓」であるが、本来誰の墓であったのか?
これについては意見が分かれている。
その主なものは三つ。
ひとつ目。
最初に述べたように、多くの専門家の意見は、元々はアイの墓であり、埋葬すべき墓がないツタンカーメンのためにアイは自らの墓を提供した。
実をいえば、アイはツタンカーメンよりも遥かに年長であり、近しい関係ではあったものの、王位を継ぐだけの血の濃さは持っていなかった。
もう少し言えば、アイは特別な配慮により王家の谷に墓が持てる特別な地位にある臣下という立場だった。
そして、跡継ぎを残すことなくこの世を去ったツタンカーメンの後継者となったアイが自らの墓としたのが、本来のツタンカーメン王墓だった。
ふたつ目の意見。
これは誰の墓でもない倉庫のような墓だった。
意外に知られていないようなのだが、王家の谷という名に反し、王家の谷に造営された墓の多くは王墓ではない。
前述したアイのように臣下や、王族が埋葬されることもあったが、そもそも墓とは呼べないような利用目的でつくられたものも多い。
「王家の谷第62号墓」もそのひとつだったというもの。
そして、これは比較的新しく出てきた意見であるのだが、この墓の本来の埋葬者はツタンカーメンの父で「異端の王」と呼ばれるアクエンアテンの妃ネフェルティティだったというものもある。
これに飛びついた各種メディアによって盛大に宴が開催された。
だが、結果は大山鳴動して鼠一匹。
何も出なかったのだが鼠なしが正しいのかもしれない。
では、名探偵はここに挙げられた三つの意見のどれを採用するのかといえば……。
ここの中で選ぶという前提条件であれば、とりあえず三つめにふたつ目の色を加えた折衷案であろうか。




