ツタンカーメンの本当の王墓はどこにある? ⑮
ネフェルネフェルウアテンがネフェルティティと同一人物かどうかについては多くの意見がある。
そして、当然ではあるが、ネフェルネフェルウアテンがネフェルティティでないのであれば、ネフェルネフェルウアテンとはいったい誰なのかという新たな疑問が浮かぶ。
実は、これこそ次の題材にすべきではないかと思えるくらいに、推理小説での殺人事件のごとく、小説内の容疑者にあたるネフェルネフェルウアテン候補者は山ほどいる。
しかも、そのどれもがそれらの根拠を持つ。
まず、ネフェルネフェルウアテンはネフェルティティ以外の女性であった場合の候補者。
アクエンアテンの長女メリトアテン。
アクエンアテンの四女ネフェルネフェルアテンタァシェリト。
アクエンアテンの側室キヤ。
続いて、この王が男性であった場合はふたりの候補者がいる。
アメンヘテプ3世の子でアクエンアテンの弟。
アクエンアテンの長女メリトアテンと夫になったアクエンアテンとは直接的なつながりがない男。
とりあえず、この五人にネフェルティティを加えた六人が候補者となる。
ここから候補者絞りを始めるわけなのだが、その前に何人かについて軽く触れておこう。
ネフェルネフェルアテンタァシェリトはアクエンアテン治世晩年まで生存が確認されている三人の娘のひとり。
彼女がネフェルネフェルウアテンであるという根拠はその名前が似通っているからというもの。
キヤはアクエンアテンの側室で、王墓や貴族の墓に描かれていたアクエンアテンファミリーのなかには含まれていない。
ただし、のちに発見された石材ブロックには彼女の図像や名前が多数記されている。
彼女の名はアクエンアテンの治世後半には見えなくなっていることから、その頃には彼女は死亡していたとする意見が多いのだが、それこそが共同統治者になった証拠とする意見もある。
ついでに、ネフェルネフェルウアテンが男性だった場合の候補者についても語っておこう。
アクエンアテンの子であるツタンカーメンより先に即位した、すなわち王位継承権が上位だったことから、それにふさわしい血筋の者だとする一方、アクエンアテンの娘の中で特別高い地位に置かれていたメリトアテンの結婚したことにその権利を得ただけとする意見もある。
どちらにしても、多くの場面で王ネフェルネフェルウアテン、王妃メリトアテンと記されているのだから、ネフェルネフェルウアテンは男性であるというのがその意見の核となるものである。




