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セルの真意

「どうだった?俺らをまとめてるミカエルは?」


「そうですね…なんだかすごい方でした。」


神殿ははるか彼方、さっきまであそこにいたはずなのに

今はもうそれが見えるか見えないかくらいの所にいる。

つまりは飛ばされたというわけだ。


セルが言うにはミカエル様はかなり気まぐれな方のようで

用事があれば相手を呼びつけ、終われば問答無用で帰す。

無意識の天上天下唯我独尊を体現したような方らしい。


しかしそれ故に天使をまとめるほどの力を有しているのだとか。

自我が強ければ強い程、魔法も強くなるのかな?

魔法は理想を現実に持ってくるものだ。

つまりはその理想が強くなければ、魔法は使えない。


「お前はナヨナヨしすぎなんだ。

アイツまでとは言わねぇ、少しはミカエルを見習え。」


「あははは…」


ミカエル様が話しているときの威圧感というか、

あの圧倒してくる感じはどうにも真似できそうにないな…



ミカエル様に花園へ飛ばされた後、セルの案内でエデンを見て回ることになった。

見渡す限りの花園、地平線の彼方まで続くそれは神聖な雰囲気を纏っている。


「ここ、エデンは死者の魂が次の命になるための準備をする場所だ。

現世にとどまった魂をこっちに連れてくるのが俺ら天使の役目の一つだ。

つまりな…」


前を歩いていたセルが足を止めた。

そのまま勢いよく二人して回れ右、

ビシッと指をさす。


「お前がここに来た時点でお前は天使としての役目を果たしてるってことだ!!」


「僕が…天使としての役割を…?」


サラさんがセルの横で頷いている。

僕にはまた句理解ができない。

だって僕はセルに言われるままにこっちに着いて来て…

それでいきなり天使としての役割を果たしたって言われても…


「つまりはですね、セルフィエル様があなたを誘導し、

それによってミカエル様にある程度納得してもらえたというわけなのですよ。」


つまりはセルが僕を助けてくれたってこと…?


さっきまではビシッと僕を指さし、まっすぐにこちらを向いていたセルも

腕を組んでそっぽを向いてしまっている。


「セルフィエル様はお優しい方です。

あなたが少しでもミカエル様に好印象を与えられるよう、尽力して下さったのですよ。」


「なっ!?サラ、お前知ったような口きくんじゃねぇ」


「でも、あの手紙を届けるように依頼したのはセルフィエル様ですよね?」


あの手紙…?


まさか僕が北の都に行くきっかけになったあの手紙のこと!?

たしかに宛先は北の都だったし、

それに今になってよく考えれば便箋も今のものじゃなかった。

かなり古いもの、それも王都で使われてるものじゃなかった。


邪悪なオーラがセルから溢れ出す中、サラさんは無意識かセルを煽り続ける。

もうやめたげて…

セルが親切にしてくれたのはよく分かったから…


「それにしてもセルは何でそこまでして僕を連れて来てくれたの?」


「そりゃその…」


セルらしくない。

顔をそっぽに向けて目線も合わそうとしない。

目線を合わそうと回り込んでも逸らされる。

イタチごっこをどのくらい繰り返したんだろうか?


「セルフィエル様はあなた様に早く一人前になってほしかったのです。

そのための第一段階としてここに連れて来たのではないでしょうか?

元々人間だったあなたなら新しい風を吹かせてくれると

そう信じておられたんでしょうね。」


「だぁぁぁぁぁぁぁ///サラ、てめぇ適当なこと言ってんじゃねぇ!!」


顔を真っ赤にしたセルがサラさんにつかみかかるが彼女にはどうやらお見通しだったようで

ひょいっと軽く避けられていた。

ついでに目もつむっていた。舐めプすぎる…


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