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果実
「うう、うう、うそ、うううう、、」
タベオが何かを言いかけた。しかし言えないでいた。
足りないのは勇気。度胸。根性。
(オイラに力を!エナジーを!!)
タベオは祈るように全力で鼻をすすった。鼻ごと吸い込んでしまいそうなほどに力を込めてすすった。
ズキューーーン!
それは鼻腔を抜けて口内へやってきた。勢いのあまり飲み込んでしまいそうだったのをタベオはグッと堪えた。
鼻くそ。右の鼻の穴の奥の奥にしがみついていた果実。熟れたそれがとうとうその手を放し、タベオの口内へと滑り落ちてきたのだ。
待望のもぐもぐタイム。タベオは光の速さでその果実を咀嚼した。




