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多少の後悔
しんと静まり返る少年たち。皆一様にうつむき、言葉を発するものはいない。
フミタもうつむきながら、握りしめたその手はプルプルと震えていた。
「さあ、オレの話は終わりだ。もう帰っていいぞ。おなか空いただろう。お母さんが帰りを待ってるぞ。」
ムラヤマは皆に向けて言った。その声には多少の気後れが感じられた。少し熱くなりすぎたと悔やんでいるのかもしれない。しかし覆水は盆に帰らない。発した言葉は取り消せない。
いや、言葉は取り消せる。懸命に謝れば取り消せる可能性はある。しかしムラヤマはそうするつもりなぞさらさらなかった。間違ったことを言ったつもりはないからだ。間違っていたとしてもプライドがそれを許すはずもないからだ。




