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ダムの決壊
「派遣の子はやはり派遣だということだ。」
ムラヤマが言った。言ってのけた。
瞬間、場が静まり返った。それとは対照的にフミタの目に激しい炎が灯った。
「オレをだまし、その罪をサイチロウに着せた。派遣がやりそうなことだ。」
「そんな輩と一緒なチームにいたとなってはメカニシの大切な経歴が汚れる。プロになる足枷になる。」
「オレが間違ってた。今まで大目に見ていたオレが間違いだった。派遣なんぞ早く切るべきだった。」
ムラヤマの憎悪のダムは決壊してしまった。言葉が洪水のように溢れ出た。
「わかるかフミタ。派遣はこのチームにはいらない。だからもう来なくていい。わかるな。」
ムラヤマは蔑んだ目でフミタを見下ろした。




