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敗北を知る
タベオを置いて皆んなが我先にとゴール前に走っていく中、メカニシだけはタベオのそばに残った。
「大丈夫?」
メカニシは無表情に言った。
タベオはメカニシの顔を見なかった。見れなかった。口の中でハナクソをコロコロと転がしつつ、口をへの字に曲げた。
「オイラなんかほっとけばいいじゃん。。」
タベオはあらぬ方に顔を向けながらボソボソと呟いた。
「怪我ないの?」
メカニシは無表情に言った。
タベオはメカニシの顔を見ないまま、しかしコクコクとうなづいた。
メカニシは「へえ」とだけ言ってゴール前に走って行った。




