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ママの言葉は神託
「フミ君は監督のこと嫌いなの?」
サイチロウが歩きながらフミタに尋ねた。
「どうしてそんなこと聞くの?サイッチは好きなの?」
「好きじゃないけど嫌いでもないよ。」
「サイッチは優しいね。あんなに怒られて嫌いにならないの?」
「だって大人を嫌っちゃいけないってママが言ってたよ。大人はみんな正しいって。」
「それは、、」
フミタは言葉に詰まった。否定の言葉が喉元まで出てきたが堪えた。
サイチロウが「ママ」を代弁した時、それはサイチロウにとって絶対の真実であり神のお告げなのだ。否定するとどうなるかをフミタは十分に理解していた。
「そうだね。嫌いになるのは良くないね。ちんこだって大事。ちんこがないとおしっこできないもん。」
サイチロウはまた盛大に吹き出した。




