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夢中
「シシマルちゃーん、そろそろ練習でしょーう。」
シシマルママの声が聞こえた。シシマルははーいと答えた。
「さあもう行こうよ。サッカーの時間だよ。」
シシマルは立ち上がってみんなに言った。
子供らはテレビ画面の映す魔界の光景に釘付けであった。その心は未だ魔界の只中にあり、シシマルの声なぞまるで聞こえていなかった。
「フミちゃんもみんなに言ってよお。」
シシマルがフミタに助けを求めた。当のフミタはスキヤキの脇をくすぐり責めにしているところだった。
「フミタ君、ギブアップ!ホントにギブアップ!もうやめて!死んじゃう!!」
スキヤキはフミタのそのあまりのしつこさに嬉し泣きを通り越えてガチ泣きに入っていた。
「もう、困ったなあ。。」
シシマルは途方に暮れてしまった。




