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人影
いる!
何かがいる。ゾゾの見つめる先になにかいる。
階段を登って渡り廊下の先。
暗がりの中に何かいる。
人影だ。ゆらゆらと揺れている。男か女かもわからない。しかしハッキリといる。
タベオは言葉が出ない。人影から目を逸らせない。
「フミタ君を助けないと。」
フラフラと前身するゾゾ。人影に気づいているのかいないのか。
「ゾゾ、よせ。行くな。」
ゾゾの肩を掴む。
何という力!まるで歯がたたない。止められない。
タベオは全力でゾゾを引っ張った。ゾゾを引き倒さんばかりに力を込めた。
しかしダメ。まったく子供の力ではない。ゾゾの前進する力。




