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原始的快楽
スキヤキはがむしゃらにケータの脇腹を掴んだ。ファウルスレスレだ。紳士的ではない。
スキヤキの顔は笑顔だ。悪意は微塵もない。ただただ楽しいのだ。原始的な欲求がスキヤキを支配しているのだ。
"他人の所有物を奪いたい"
ケータはあっさりとスキヤキを振り払った。スキヤキの腕力など、ケータにとっては児戯に等しかった。
ケータの顔は笑顔ではない。表面上は。しかしその心は笑顔だ。ケータとて原始的な愉悦にはかなわないのだ。
"自分の所有物を守りぬいた"
ケータは力強くドリブルを続けた。




